Description of a work (作品の解説)
2010/04/30掲載
Work figure (作品図)
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スラヴ叙事詩−スラブ賛歌


(The Apotheosis of the Slavs)
1926年 | 480×405cm | 油彩・テンペラ・画布
モラフスキー・クロムロフ城

19世紀フランスでアール・ヌーヴォー様式の流行を築き上げた大家アルフォンス・ミュシャ代表作『スラヴ叙事詩−スラブ賛歌』。本作はミュシャが1910年に故郷チェコへと帰郷した翌1911年から制作が開始された、スラヴ民族の歴史を主題とする全20枚から構成される連作群≪スラヴ叙事詩≫において最後の1枚(20枚目)として手がけられた作品である。本作は、1918年にオーストリア=ハンガリー二重帝国から独立を勝ち取った新たなるチェコ(チェコスロバキア)を象徴化した場面を描いた作品で、画面上部中央で聖葉で作られた輪を持ちながら両手を広げる青年がそれを表現しており、さらに青年に背後には主イエスの姿が描き込まれている。画面のほぼ中央で輝く光の中に描かれる人々は独立後のチェコの希望の象徴であり、また栄光の象徴でもある。さらに希望や栄光の象徴の右斜め下に描かれる青白い光の中の人々は古代のスラヴ民族を表し、またその対角線的位置に描かれる暗く影がかった一団は過去に敵対していた勢力を意味している(なお敵対勢力の対面にはスラヴ民族の偉人らが配される)。なお本作はアメリカ人であったクレーン氏の協力・援助があって完成した経緯もあり、画面中央からやや右上部分には他国の国旗と共に星条旗も描き込まれている。


【全体図】
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チェコの独立を象徴する青年。本作はミュシャが1910年に故郷チェコへと帰郷した翌1911年から制作が開始された、スラヴ民族の歴史を主題とする全20枚から構成される連作群≪スラヴ叙事詩≫において最後の1枚として手がけられた作品である。



【チェコの独立を象徴する青年】
栄光と希望の光に満ちた人々。本作は1918年にオーストリア=ハンガリー二重帝国から独立を勝ち取った新たなるチェコ(チェコスロバキア)を象徴化した場面を描いた作品で画面上部中央で聖葉で作られた輪を持ちながら両手を広げる青年がそれを表現している。



【栄光と希望の光に満ちた人々】
古代のスラヴ民族の姿。画面のほぼ中央で輝く光の中に描かれる人々は独立後のチェコの希望の象徴であり、また栄光の象徴でもある。さらに希望や栄光の象徴の右斜め下に描かれる青白い光の中の人々は古代のスラヴ民族を表している。



【古代のスラヴ民族の姿】
過去の敵対勢力。古代のスラヴ民族の対角線的位置に描かれる暗く影がかった一団は過去に敵対していた勢力を意味している(なお敵対勢力の対面にはスラヴ民族の偉人らが配される)。



【過去の敵対勢力】

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