Description of a work (作品の解説)
2009/07/18掲載
Work figure (作品図)
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サロン・デ・サン(1897年版、ミュシャ展版)


(Poster for the Exhibition of the Salon des Cent) 1897年
63×43.5cm | リトグラフ | 所蔵先複数

19世紀フランスでアール・ヌーヴォー様式の流行を築き上げた大家アルフォンス・ミュシャ代表作『サロン・デ・サン(1897年版、ミュシャ展版)』。本作は1897年に国立美術学校近郊の画廊≪サロン・デ・サン≫で開催された、ミュシャの2度目の個展の告知用ポスター作品である。画面中央からやや左寄りに配されるスラブ風の少女は口元に右手を置きながら観る者へと実直な視線を向けている。少女の身に着ける髪飾りは、サロン・デ・サンの経営者が刊行していた美術総合誌ラ・プリュム内の評論で「典型的なスラムの娘」と評されるよう、異国的(かつ画家の民族的アイデンティティー)な雰囲気を顕著に伝える役割を果している。さらにこの少女が左手に持つペンで描いたことを連想される象徴的な3輪は宗教的(キリスト教的)観念としての「希望」「信仰」「受難」を、中央のハートは「愛」を意味していると考えられている。表現としては、曲線を多用した優美で洗練された装飾性が際立つアール・ヌーヴォー様式の典型的な手法が用いられているほか、赤桃色と白色を基本色とした明快で単純ながらミュシャの個性と意匠の真意を明確に示す色彩描写は、画家の芸術性を理解する上でも非常に重要視されている。なお個展はラ・プリュムで特集を組まれるなど開催時から人々の注目を集め、この個展の大成功によりミュシャはその名声を確固たるものとした。


【全体図】
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深い意味を感じさせる少女の眼差し。で開催された、ミュシャの2度目の個展の告知用ポスター作品で、画面中央からやや左寄りに配されるスラブ風の少女は口元に右手を置きながら観る者へと実直な視線を向けている。



【深い意味を感じさせる少女の眼差し】
スラブ的な髪飾りを身に着けた少女。少女の身に着ける髪飾りは、サロン・デ・サンの経営者が刊行していた美術総合誌ラ・プリュム内の評論で「典型的なスラムの娘」と評されるよう、異国的(かつ画家の民族的アイデンティティー)な雰囲気を顕著に伝える役割を果している。



【スラブ的な髪飾りを身に着けた少女】
象徴的な3輪とハート。この少女が左手に持つペンで描いたことを連想される象徴的な3輪は宗教的(キリスト教的)観念としての「希望」「信仰」「受難」を、中央のハートは「愛」を意味していると考えられている。



【象徴的な3輪とハート】

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