Description of a work (作品の解説)
2009/05/19掲載
Work figure (作品図)
■ 

椿姫

 (Poster for La Dame aux Camélias) 1896年
208×74.5cm | リトグラフ | 所蔵先複数

アール・ヌーヴォー様式の最も著名な画家(作家)アルフォンス・ミュシャ初期の代表的なポスター作品『椿姫』。本作は19世紀フランスを代表する劇作家兼小説家アレクサンドル・デュマ・フィス(子)の最も著名な小説で、自らが戯曲化した≪椿姫≫のポスター作品である。第二共和政時代に出版されたものの上演許可が下りたのは第二帝政時代となってからという戯曲≪椿姫≫は、高級娼婦で白い椿を好んだことから人々に椿姫と呼ばれるようになったマルグリット・ゴーティエと、好青年アルマン・デュヴァルとの恋の物語で、マルグリットを演じた舞台女優サラ・ベルナールは、作者であるデュマ・フィス(子)自身が≪椿姫≫の最高の役者と認めていたほど当たり役であった。本作に描かれるマルグリット・ゴーティエは白い椿の花をモティーフとした清潔で現代的な衣服に身を包みながら澄ました表情を浮かべている。頭部及び顔面は真横から、身体はやや斜めから捉えられる椿姫マルグリットは非常に優雅な立ち振る舞いを見せており、ドゥミ・モンド(裏社交界)に生きる女の姿を的確に示している。また髪飾りや下半身部分へは装飾的な椿の花が配されており本作(戯曲)の世界観を象徴している。さらに本作で注目すべき点は白い椿の花のイメージに合わせた色彩の見事さにある。背景には椿の花と対比させるかのように紫色が画面下部から上部へ濃淡法を用いて使用さえており、淡彩的な上部と曲線が多用された装飾的な文様は非常に良く調和している。さらにこれらの色彩と文様は本作の悲劇的かつロマン的な印象を観る者へ的確に伝える効果も生み出しており、今も魅了し続ける。


【全体図】
拡大表示
真横から捉えられる椿姫マルグリット・ゴーティエ。本作は19世紀フランスを代表する劇作家兼小説家アレクサンドル・デュマ・フィス(子)の最も著名な戯曲≪椿姫≫のポスター作品で、第二共和政時代に出版されたものの上演許可が下りたのは第二帝政時代となってからという逸話も残されている。



【真横から捉えられる椿姫マルグリット】
清楚で現代的な椿姫の衣服。戯曲≪椿姫≫は、高級娼婦で白い椿を好んだことから人々に椿姫と呼ばれるようになったマルグリット・ゴーティエと、好青年アルマン・デュヴァルとの恋の物語で、マルグリットを演じた舞台女優サラ・ベルナールは、作者であるデュマ・フィス(子)自身が≪椿姫≫の最高の役者と認めていたほど当たり役であった。



【清楚で現代的な椿姫の衣服】
本作を象徴する白い椿の花。頭部及び顔面は真横から、身体はやや斜めから捉えられる椿姫マルグリットは非常に優雅な立ち振る舞いを見せており、ドゥミ・モンド(裏社交界)に生きる女の姿を的確に示している。また髪飾りや下半身部分へは装飾的な椿の花が配されており本作(戯曲)の世界観を象徴している。



【本作を象徴する白い椿の花】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ