Description of a work (作品の解説)
2009/08/10掲載
Work figure (作品図)
■ 

岩の上のサッフォー

 (Sapho sur le rocher)
1872年 | 18.4×12.4cm | 水彩・紙
ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館

偉大なる19世紀フランス象徴主義の画家ギュスターヴ・モローの代表作『岩の上のサッフォー』。1872年に制作された本作に描かれるのは、紀元前7世紀のギリシャ出身の女流詩人で、モロー自身が詩人女性の代表的存在に位置付けていた≪サッフォー(サッポー)≫の伝説的な悲恋の場面である。本作に描かれるサッフォーは、若く美しい青年ファオンに恋心を抱くものの、ファオンに受け入れられず、あまりの悲しみからレウカディアの岬から身を投げた(投身自殺をした)という逸話を基にして制作されているが、画家自身は数多く制作された一連の≪サッフォー≫を画題とした作品に対して、「私が描くサッフォーは巫女の、特に詩人としての巫女の聖性を念頭に置いている。そしてそれは優美性、厳格性、さらには詩人としての最大の特徴でもある想像性や多様性を人々の心へ呼び覚ますかのような衣服として表現している。」と述べていることからも理解できるよう、サッフォーの悲恋的逸話そのものよりも、詩人としての神秘性や甘美性が重要視されている。画面中央に配されるレウカディアの岬の岩の上へ力無く座り込むサッフォーは、疲れ果てたかのように目を瞑り、悲愴的な表情を浮かべながら(その後の身投げにつながるであろう)物思いに耽っている様子である。画家自身も述べているよう、本作において最も注目すべきサッフォーの身に着ける衣服は赤色を主色としながら、青緑色など寒色や黄金の腕輪など多様な装飾に装飾されており、詩人としての神秘性が強調されている。さらにサッフォーの流線的な姿態と岩々の垂直性が強調された硬質的な対比は、本作の幻想的な背景表現と組み合わされ、見事な象徴的効果を生み出している。

関連:『淵に落ちて行くサッフォー』
関連:『サッフォーの死』
関連:『サッフォー』
関連:『サッフォーの死』


【全体図】
拡大表示
悲愴的な表情を浮かべるサッフォー。本作に描かれるサッフォーは、若く美しい青年ファオンに恋心を抱くものの、ファオンに受け入れられず、あまりの悲しみからレウカディアの岬から身を投げた(投身自殺をした)という逸話を基にして制作されている。



【悲愴的な表情を浮かべるサッフォー】
神秘性が強調された印象的な衣服。画家自身も述べているよう、最も注目すべきサッフォーの身に着ける衣服は赤色を主色としながら、青緑色など寒色や黄金の腕輪など多様な装飾に装飾されており、詩人としての神秘性が強調されている。



【神秘性が強調された印象的な衣服】
垂直的で硬質的な岩肌。1872年に制作された本作に描かれるのは、紀元前7世紀のギリシャ出身の女流詩人で、モロー自身が詩人女性の代表的存在に位置付けていた≪サッフォー(サッポー)≫の伝説的な悲恋の場面である。



【垂直的で硬質的な岩肌】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ