Description of a work (作品の解説)
2008/05/08掲載
Work figure (作品図)
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ダナエ

 (Danae) 1907-08年
77×83cm | 油彩・画布 | 個人所蔵(グラーツ)

分離派の大画家グスタフ・クリムトの現存する最もエロティックな作品のひとつ『ダナエ』。本作は、オウィディウスの≪転生神話≫に記される、アルゴス王アクリシオスの娘ダナエに恋をした主神ユピテルが、妻ヘラの嫉妬を逃れる為に黄金の雨に姿を変え、ダナエの下へ降り立ち、愛の契りを交わすという逸話≪ダナエ≫に典拠を得て制作された、神話を主題とする作品である。ほぼ正方形の画面の中へ蹲るような姿態で描かれる本作のダナエの股間部に、まるで精子を思わせるような円と線、そして鉤状の形をした黄金の雨に姿を変えた主神ユピテルが流れ込んでおり、その情景はあたかも主神ユピテルによる愛するダナエへの愛撫を連想させる。ダナエはユピテルの激しく至福的な愛撫を受け、頬は紅潮し恍惚の表情を浮かべている。あまりの快楽ゆえなのだろうか、右手は胸部(乳房)へと置かれ、己の敏感になった感覚を掻き毟るかのように爪を立てている。またダナエの姿態の大部分を占める大きな左大腿部で隠れてはいるが、ダナエの左手は性器へと向けられているかのようであり、古くから本作のダナエは自慰行為をおこなっているとの指摘がされている。本主題≪ダナエ≫はルネサンスヴェネツィア派の巨人ティツィアーノを始め、コレッジョレンブラントなど過去の偉大なる画家たちもしばしば描いてきた、神話の中でも最も一般的な主題であるものの、ここまであからさま(露骨)に主題≪ダナエ≫に含まれる性と快楽を表現した作品は他に例が無く、その点でも本作は画家の作品の中でも特に重要な作品として位置付けられている。


【全体図】
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頬が紅潮し恍惚の表情を浮かべるダナエの姿。ダナエはユピテルの激しく至福的な愛撫を受け、頬は紅潮し恍惚の表情を浮かべており、あまりの快楽ゆえなのだろうか、右手は胸部(乳房)へと置かれ、己の敏感になった感覚を掻き毟るかのように爪を立てている。



【恍惚の表情を浮かべるダナエ】
ダナエの股間部へと流れ込む主神ユピテル。ほぼ正方形の画面の中へ蹲るような姿態で描かれる本作のダナエの股間部に、まるで精子を思わせるような円と線、そして鉤状の形をした黄金の雨に姿を変えた主神ユピテルが流れ込んでおり、その情景はあたかも主神ユピテルによるダナエへの愛撫を連想させる。



【股間部へと流れ込む主神ユピテル】
薄透した黒布の装飾的な文様。ダナエの姿態の大部分を占める大きな左大腿部で隠れてはいるが、ダナエの左手は性器へと向けられているかのようであり、古くから本作のダナエは自慰行為をおこなっているとの指摘がされている。



【薄透した黒布の装飾的な文様】

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