Description of a work (作品の解説)
2009/10/12掲載
Work figure (作品図)
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ビルチェス伯爵夫人の肖像


(Retrato de la condesa de Vilches) 1853年
126×89cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)

19世紀スペインを代表する肖像画家フェデリコ・デ・マドラーソの最高傑作のひとつ『ビルチェス伯爵夫人の肖像』。本作に描かれるのは、当時のサロン(社交界)において花形的存在であり、名の知れた小説家(文筆家)でもあった≪ビルチェス伯爵夫人(アマリア・デ・リャノ・イ・ドトレス)≫32歳の姿である。マドラーソと本作のモデルであるビルチェス伯爵夫人は家族同士の付き合いがあるほど懇意であったことが知られており、本作においてもマドラーソだからこそ到達できたモデルの魅力を最大限に活かした肖像表現は19世紀スペイン・ロマン主義の最高傑作として今も人々の眼を惹き付ける。画面中央に描かれるビルチェス伯爵夫人は魅惑的な笑みを浮かべつつ、右手の指を軽く頬に当てながら視線を観る者へと向けている。ゆったりと椅子に腰掛けるビルチェス伯爵夫人の身に着けた豪奢で気品漂う衣服は夫人の丸みを帯びた柔らかい姿態を包み込むように肩が露出しており、その艶やかな光沢を放つ青色の衣服の質感は、白い夫人の肌と明確な対比を示している。さらに夫人の左手には異国的な雰囲気を漂わせる羽根団扇が持たされており、女性らしさを強調する効果を発揮している。本作の曲線的な構図や色彩の対比などにはフランス新古典主義最後の巨匠ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングルの肖像画『ジェイムス・ド・ロスチャイルド男爵夫人の肖像』や『ド・ブロリ公爵夫人の肖像』からの影響が明らかであるものの、自由奔放な筆触や高い写実的技法、控えめながら対象の魅了を存分に伝えきる肖像構成には巨匠ベラスケスから続くスペイン伝統の肖像表現も見出すことができる。

関連:アングル作 『ジェイムス・ド・ロスチャイルド男爵夫人』
関連:アングル作 『ド・ブロリ公爵夫人の肖像』


【全体図】
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魅惑的な笑みを浮かべるビルチェス伯爵夫人。本作に描かれるのは、当時のサロン(社交界)において花形的存在であり、名の知れた小説家(文筆家)でもあった≪ビルチェス伯爵夫人(アマリア・デ・リャノ・イ・ドトレス)≫32歳の姿である。



【魅惑的な笑みを浮かべる伯爵夫人】
アングルからの影響を感じさせる衣服の質感表現と色彩的対比。本作の曲線的な構図や色彩の対比などにはフランス新古典主義最後の巨匠ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングルの肖像画『ジェイムス・ド・ロスチャイルド男爵夫人の肖像』や『ド・ブロリ公爵夫人の肖像』からの影響が明らかである。



【衣服の質感表現と色彩的対比】
しなやかな指先と高い写実的描写技法。ゆったりと椅子に腰掛けるビルチェス伯爵夫人の身に着けた豪奢で気品漂う衣服は夫人の丸みを帯びた柔らかい姿態を包み込むように肩が露出しており、その艶やかな光沢を放つ青色の衣服の質感は、白い夫人の肌と明確な対比を示している。



【高い写実的描写技法】

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