Description of a work (作品の解説)
2011/03/18掲載
Work figure (作品図)
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イサベル・デ・ポルセール


(Isabel de Porcel) 1804-05年
81×54cm | 油彩・画布 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー

スペインロマン主義を代表する画家フランシスコ・デ・ゴヤが手がけた肖像画の傑作『イサベル・デ・ポルセール』。本作はゴヤがスペイン南部の都市グラナダ滞在時にカスティーリャ審議会員アントニオ・ポルセールから受けた親切の返礼として同氏の妻≪イサベル・デ・ポルセール≫をモデルに手がけられた肖像画作品である。画面中央に配されるポルセール夫人イサベルは顔を左側に向けながら、身体を右側に構え、かつ両腕を腰へ当て、その姿には勝気な女傑の印象を強く抱くことができる。またポルセール夫人イサベルの表情に注目してみると大きな黒い瞳を開き、やや厚めの魅惑的な唇を自然に結びながら、白い肌の上で頬が紅潮しており、彼女の表情的魅力を存分に描写されていることが理解できる。さらに肉感的なイサベルが身に着ける衣服として、マハ(小粋な女)の衣服としても知られる黒い薄絹のショール(マンティーリャ)の持つ特有の質感と透過感が絶妙に描き込まれており、スペイン女性としての美を際立たせている。本作から醸し出されるイサベルの情熱的性格や生命力と魅力に満ちた表情には男性を魅了するスペインの女性の色香を大いに感じることができる。また描写手法に注目してもゴヤ特有の内面性をも描き出すかのような大胆で繊細な筆触や精妙な明暗対比の表現は今も観る者を惹きつけてやまない。


【全体図】
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魅惑的なポルセール夫人イサベルの表情。本作はゴヤがスペイン南部の都市グラナダ滞在時にカスティーリャ審議会員アントニオ・ポルセールから受けた親切の返礼として同氏の妻≪イサベル・デ・ポルセール≫をモデルに手がけられた肖像画作品である。



【魅惑的なイサベルの表情】
肉感漂う夫人の姿態。ポルセール夫人イサベルの表情に注目してみると大きな黒い瞳を開き、やや厚めの魅惑的な唇を自然に結びながら、白い肌の上で頬が紅潮しており、彼女の表情的魅力を存分に描写されていることが理解できる。



【肉感漂う夫人の姿態】
大胆ながら繊細な筆捌き。画面中央に配されるポルセール夫人イサベルは顔を左側に向けながら、身体を右側に構え、かつ両腕を腰へ当て、その姿には勝気な女傑の印象を強く抱くことができる。



【大胆ながら繊細な筆捌き】

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