Description of a work (作品の解説)
2010/08/31掲載
Work figure (作品図)
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羊の頭のある静物(羊頭とあばら骨)


(Nature morte à la tête de mouton) 1808-1812年頃
45×64cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

ロマン主義随一の画家フランシスコ・デ・ゴヤを代表する静物画作品のひとつ『羊の頭のある静物(羊頭とあばら骨)』。画家の財産目録に記された12点の連作厨房画(ボデゴン)の1点で、本作群を相続した画家の孫マリアーノ・ゴヤからマドリッド近郊の伯爵別荘家の食堂の装飾画として売却され、さらにその後、パリの画廊を経て1937年にルーヴル美術館が購入した来歴をもつ本作は、皮を剥がれた≪羊の頭部と胸部(あばら骨)≫を主題に描いた、画家の内面的本質を表したかのような粗野しく物悲しい作品である。画面左側には羊の頭部が配されており、その落とされた切り口は荒々しく皮も剥がされ側面部では顔面の筋肉と脂肪が見えている。さらにこの羊には、まるで全てを達観、諦観するかのようなどんよりとした瞳と欠けた歯が印象的な口の表情による≪ヴァニタス(人生の空しさ)≫という死生的寓意を見出すことができる。そして画面中央と右側には羊の頭部とほぼ同等の大きさの胸肉(あばら骨)が、計算された構成とは程遠く、在るがままのように2つ配されており、その素朴ゆえの量塊感は観る者を強く惹きつける。あまりにも実直で理想を除外した写実主義的描写にはゴヤの美を超越する絵画的本質を感じることができる。なお羊の頭部の頬下には流れた羊血で「goya(ゴヤ)」と記されている。


【全体図】
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物悲しい瞳で描かれる羊の頭部。画家の財産目録に記された12点の連作厨房画(ボデゴン)の1点である本作は、皮を剥がれた≪羊の頭部と胸部(あばら骨)≫を主題に描いた、画家の内面的本質を表したかのような粗野しく物悲しい作品である。



【物悲しい瞳で描かれる羊の頭部】
量塊感を感じさせるあばら骨。羊の頭部には、まるで全てを達観、諦観するかのようなどんよりとした瞳と欠けた歯が印象的な口の表情による≪ヴァニタス(人生の空しさ)≫という死生的寓意を見出すことができる。



【量塊感を感じさせるあばら骨】
羊の血で記される画家の署名。あまりにも実直で理想を除外した写実主義的描写にはゴヤの美を超越する絵画的本質を感じることができる。なお羊の頭部の頬下には流れた羊血で「goya(ゴヤ)」と記されている。



【羊の血で記される画家の署名】

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