Description of a work (作品の解説)
2004/09/01掲載
Work figure (作品図)
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裸のマハ

 (La Maja Desude) 1798-1800年頃
97×190cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)

近代絵画の創始者フランシスコ・デ・ゴヤ屈指の代表作『裸のマハ』。本作は画家が≪マハ≫(※マハとは特定の人物を示す固有の氏名ではなくスペイン語で<小粋な女>を意味する単語)を描いた作品で、バロック絵画の巨匠ディエゴ・ベラスケスの『鏡のヴィーナス』と共に厳格なカトリック国家で、神話画を含む如何なる作品であれ裸体表現に極めて厳しかったフェリペ4世統治下のスペインにおいて制作された非常に希少な裸婦像作品であるが、ゴヤは本作を描いた為に、制作から15年近く経過した1815年に異端審問所に召還されている。本作のモデルについては古くから論争が絶えず、諸説唱えられているが、現在ではゴヤと深い関係にあったとも推測されるアルバ公爵夫人マリア・デル・ピラール・カイェタナとする説(画家自身が異端審問所に召還された際に証言したため)、画家の重要なパトロンのひとり宰相ゴドイの愛人ペピータとする説(作品制作の依頼主と推測されるため)、ゴヤの友人で神父バビが寵愛していた女性とする説(ゴヤの孫マリアーノが証言しているため)などが有力視されている。本作において最も注目すべき点は、その類稀な官能性にある。ベラスケスの『鏡のヴィーナス』が理想化された裸体表現の美とするならば、本作は自然主義的な観点による豊潤で濃密な裸婦表現の美と位置付けられ、特に横たわるマハの丸みを帯びた女性的肉体の曲線美や、単純ながら心地よい緩やかなリズムを刻む画面(の対角線上)への配置などはゴヤの洗練された美への探究心と創造力を感じさせる。また挑発的に観る者と視線を交わらせる独特の表情や、赤みを帯びた頬、そして計算された光源によって柔らかく輝きを帯びた肢体の描写などは、本作がスペイン絵画屈指の裸婦作品としての存在感を十二分に示す最も顕著な要因のひとつである。

関連:フランシスコ・デ・ゴヤ作 『着衣のマハ』


【全体図】
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挑発的に観る者と視線を交わらせる独特の表情。本作はバロック絵画の巨匠ディエゴ・ベラスケスの『鏡のヴィーナス』と共に厳格なカトリック国家で、神話画を含む如何なる作品であれ裸体表現に極めて厳しかったフェリペ4世統治下のスペインにおいて制作された非常に希少な裸婦像作品である。



【挑発的に観者と視線を交わらせる表情】
横たわるマハの丸みを帯びた女性的肉体の曲線美。挑発的に観る者と視線を交わらせる独特の表情や、赤みを帯びた頬、マハの女性的肉体の曲線美や、単純ながら心地よい緩やかなリズムを刻む画面への配置などはゴヤの洗練された美への探究心と創造力を感じさせ、自然主義的な観点による豊潤で濃密な官能的裸婦表現の美と位置付けられる。



【横たわるマハの丸みを帯びた曲線美】
計算された光源によって柔らかく輝きを帯びた肢体。本作のモデルについては古くから論争が絶えず、諸説唱えられているが、現在ではアルバ公爵夫人マリア・デル・ピラール・カイェタナとする説、宰相ゴドイの愛人ペピータとする説、ゴヤの友人で神父バビが寵愛していた女性とする説などが有力視されている。



【計算された光源による光の表現】

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