Description of a work (作品の解説)
2011/01/18掲載
Work figure (作品図)
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聖フスタと聖ルフィーナ(聖ユスタと聖ルフィナ)


(Santas Justa y Rufina) 1817年
309×177cm | 油彩・画布 | セビーリャ大聖堂

18世紀後半から19世紀前半まで活躍したスペインロマン主義の大画家フランシスコ・デ・ゴヤ後期を代表する宗教画作品のひとつ『聖フスタと聖ルフィーナ(聖ユスタと聖ルフィナ)』。ゴヤの友人で美術史家でもあったセアン・ベルムーデスの仲介により、セビーリャ大聖堂から制作依頼を受け、同聖堂の祭壇画として手がけられた本作は、3世紀セビーリャ出身の陶工姉妹で、ローマ司祭の命令である異教礼拝用の供物(陶器)製作を拒んだことから同地で殉教するほか、1504年に同地で起こった大地震の際には突如現れ倒壊しかかったヒラルダの塔(セビーリャ大聖堂に付設する大鐘楼)を救ったという伝説でも知られている≪聖フスタと聖ルフィーナ(聖ユスタと聖ルフィナ)≫を主題とした聖人画作品である。画面中央左側には緑色の衣服を身に着ける聖フスタが、右側には茶褐色の衣服を身に着ける聖ルフィーナが配されており、それぞれの手には陶器と殉教を象徴する棕櫚(しゅろ)の葉が持たされている。また聖フスタの足元には異教への抵抗(加えて陶工)を象徴をする壊れた古代ローマの女神像が、聖ルフィーナの足元にはスペインの寓意像とする獅子(ライオン)が従順に足を舐める姿で描き込まれている。画家自身の署名の後に「セサール・アウグスターノ(セビーリャ出身)の国王の主席画家」との銘が記されていることからも、ゴヤ自身、確かな手ごたえを感じていたであろうことが(本作の)卓越した人物描写や光源処理から窺い知ることのできる本作は、事実、セビーリャ大聖堂へと納品された際、かなりの好評を得たことが書簡に残されている。


【全体図】
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天上からの威光を仰ぐ聖フスタ。ゴヤの友人で美術史家でもあったセアン・ベルムーデスの仲介により、セビーリャ大聖堂から制作依頼を受け、同聖堂の祭壇画として手がけられた本作は、同地出身の聖人≪聖フスタと聖ルフィーナ(聖ユスタと聖ルフィナ)≫を主題とした作品である。



【天上からの威光を仰ぐ聖フスタ】
棕櫚の葉と陶器を手にする聖ルフィーナ。本聖人は3世紀セビーリャ出身の陶工姉妹で、ローマ司祭の命令である異教礼拝用の供物(陶器)製作を拒んだことから同地で殉教するほか、1504年に同地で起こった大地震の際には突如現れ倒壊しかかったヒラルダの塔(セビーリャ大聖堂に付設する大鐘楼)を救ったという伝説でも知られている。



【棕櫚と陶器を手にする聖ルフィーナ】
スペインの寓意として描かれる従順な獅子(ライオン)。画家自身の署名の後に「セサール・アウグスターノ(セビーリャ出身)の国王の主席画家」との銘が記されていることからも、ゴヤ自身、確かな手ごたえを感じていたであろうことが本作の卓越した人物描写や光源処理から窺い知ることのできる。



【従順な獅子(ライオン)】

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