Description of a work (作品の解説)
2007/12/31掲載
Work figure (作品図)
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自画像

 (Autorretrato) 1815年
51×46cm | 油彩・板 | 王立サン・フェルナンド美術アカデミー

ロマン主義随一の巨匠であり、近代絵画の扉を開いた創始者的存在でもある画家フランシスコ・デ・ゴヤ作『自画像』。マドリッドの王立サン・フェルナンド美術アカデミーに所蔵される本作は画家が生涯に度々手がけてきた≪自画像≫の中でも特に代表的な作例のひとつであり、ゴヤが69歳の頃に制作された作品である。本作が制作された頃、ゴヤは画家としての最高の地位である宮廷首席画家にまで登りつめていたものの、既に聴覚を失って(画家は1790年代半ばに大病を患い、回復するものの聴覚を失った)おり、さらに1810年頃からの体調不良によってしばしば病床に臥してしまう状態にあった。また数年前のフランス軍によるスペイン侵攻など暗い時代背景もあり、本作に描かれるゴヤ自身の姿は、25歳頃45歳頃など出世欲に従い、地位の向上に邁進していた頃の自画像作品と比較し、明らかにメランコリックで、鬱蒼とした雰囲気を携えている。中でも苦痛や幻滅の深淵へと引き込むかのような、疲憊し暗く沈んだ黒南風的な瞳とその表情は、観る者を強く惹きつける。しかしながら本作の69歳とは思えないほど若々しく描かれる画家の姿は、聴覚を失ったからこそゴヤが見出した、出世以外の生きる目的や意欲が表れたものであるとの解釈も唱えられている。いずれにしても、画家の苦悩やそれにおける精神的内面・心情が顕著に示されている本作は、画家が数多く手がけた人物画作品の中でも特に重要な作品に位置付けられている。なおプラド美術館には近年洗浄がおこなわれた本作の別ヴァージョンが所蔵されている。

関連:1771〜1775年頃制作 『自画像』
関連:1791〜1792年頃制作 『アトリエの自画像』
関連:プラド美術館所蔵 『自画像(別ヴァージョン)』


【全体図】
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疲憊し暗く沈んだ黒南風的な瞳。深淵へと引き込むかのような、瞳とその表情ではあるが、本作の69歳とは思えないほど若々しく描かれる画家自身の姿は、聴覚を失ったからこそゴヤが見出した、出世以外の生きる目的や意欲が表れたものであるとの解釈も唱えられている。



【疲憊し暗く沈んだ黒南風的な瞳】
素早く荒々しい筆致による襟元の描写。本作に描かれるゴヤ自身の姿は、25歳頃45歳頃など出世欲に従い、地位の向上に邁進していた自画像作品と比較し、明らかにメランコリックで、鬱蒼とした雰囲気を携えている。



【素早く荒々しい筆致による襟元の描写】
画面の中に記される画家の署名と制作年。マドリッドの王立サン・フェルナンド美術アカデミーに所蔵される本作は画家が生涯に度々手がけてきた≪自画像≫の中でも特に代表的な作例のひとつであり、ゴヤが69歳の頃に制作された作品である。



【画面の中に記される署名と制作年】

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