Description of a work (作品の解説)
2010/11/07掲載
Work figure (作品図)
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ゴヤとアリエータ医師


(Goya curado por el doctor Arrieta) 1820年
114.6×76.5cm | 油彩・画布 | ミネアポリス美術館

ロマン主義の偉大なる巨匠フランシスコ・デ・ゴヤの個人に対する贈呈作品のひとつ『ゴヤとアリエータ医師』。本作はゴヤが1819年にマドリッド郊外マンサナレス河畔に購入した別荘≪聾の家(聾者の家)≫へ移り住んだ翌3月に、自身3度目となる重病(腸チフス。チフス菌による感染症の一種)に罹り倒れるものの、画家の主治医であったアリエータ医師の迅速な対応によって一命を取り留めたことに対する献辞として制作された作品である。画面中央へ描かれる主治医アリエータは腸チフスによってぐったりと倒れたゴヤを抱きかかえる様に起こし、グラスへ入れられた煎薬を飲ませようとしている。その高揚としながら実直である種の穏やかさすら感じさせる医師の表情や姿態には、この瀕死の画家を救わんとする態度を明確に感じることができ、さらにアリエータが身に着ける衣服は希望を象徴する緑色で描き込まれている。一方、病に倒れるゴヤは血色が失せた土気色の顔をだらりと外側へ向け、力なく医師の処置を受けているが、その姿は死の直前にある様を容易に連想させる。ゴヤと医師、ほぼ正面から捉えられる絵画構成や位置関係、そして後の「黒い絵」に通じる老い、病気、死という主題を大きな明暗の対比と簡潔な画面によって表現される本作には3度目の重病から復帰して、なお衰えない画家の芸術に対する情熱と独創性を見出すことができる。また画面背後には3名の頭部を確認することができ、特に左端に配されるアリエータ(又は司祭)に類似する頭部の描写進捗の状況から本作には油彩習作とする説も唱えられている。なお本作の下部には「ゴヤ、友人アリエータへ感謝を込め〜」と医師に対する献辞(銘文)が記されている。


【全体図】
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懸命に治療する主治医アリエータ。本作はゴヤ自身3度目となる重病(腸チフス。チフス菌による感染症の一種)に罹り倒れるものの、画家の主治医であったアリエータ医師の迅速な対応によって一命を取り留めたことに対する献辞として制作された作品である。



【治療する主治医アリエータ】
ぐったりと倒れる瀕死のゴヤ。病に倒れるゴヤは血色が失せた土気色の顔をだらりと外側へ向け、力なく医師の処置を受けているが、その姿は死の直前にある様を容易に連想させる。



【ぐったりと倒れる瀕死のゴヤ】
闇の中に浮かぶ頭部。画面背後には3名の頭部を確認することができ、特に左端に配されるアリエータ(又は司祭)に類似する頭部の描写進捗の状況から本作には油彩習作とする説も唱えられている。



【闇の中に浮かぶ頭部】
画面下部に記される医師に対する謝意。ほぼ正面から捉えられる絵画構成や位置関係、そして後の「黒い絵」に通じる老い、病気、死という主題を大きな明暗の対比と簡潔な画面によって表現される本作には3度目の重病から復帰して、なお衰えない画家の芸術に対する情熱と独創性を見出すことができる。



【画面下部に記される医師に対する謝意】

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