Description of a work (作品の解説)
2010/11/09掲載
Work figure (作品図)
■ 

新世界より戻ったクリストファー・コロンブス

 1839年
(Christophe Colomb au retour du Nouveau Monde)
85×116cm | 油彩・画布 | トリード美術館(オハイオ)

フランスロマン主義の大画家ウジェーヌ・ドラクロワを代表する歴史的主題作品のひとつ『新世界より戻ったクリストファー・コロンブス』。ワシントン・ナショナル・ギャラリーに所蔵される『サンタ=マリア=デ=ラビダ修道院のコロンブス』と対の作品としても知られる本作は、ロシアの裕福な貴族デミドフ公の依頼により同氏がフィレンツェのサン=ドナートに所有する別荘の為に制作された、イタリア ジェノヴァ出身の探検家で、大航海時代での大西洋航路の発見(アメリカ大陸発見)で知られる≪クリストファー・コロンブス≫を主題とする歴史画的作品で、新世界(アメリカ大陸)の発見から帰還したコロンブスが、盛大な歓迎を受けながら、新大陸の珍しい土産物と合わせてスペイン国王夫妻(カスティーリャ国王夫妻)フェルナンド5世とイサベル1世へ報告をおこなう場面を描いたものである。画面中央の宮殿階段上には民族衣装を身に着けたコロンブスが配され、その下部には自身が新大陸で発見した偶像や黄金、毛皮など様々な珍品が描き込まれている。画面右側の階段上部には)フェルナンド5世、イサベル1世の国王夫妻がコロンブスの帰還の挨拶に興味深げな眼差しを向けており、画面左側にはこの歴史的偉業に立ち会う数多くの人々が丹念な筆捌きで描かれている。本作で特筆すべき点は、構図、特に画面右側部分の構図における過去の巨匠からの引用で、本作には明らかにヴェネツィアのアカデミア美術館へ所蔵されるルネサンス期 ヴェネツィア派最大の巨匠ティツィアーノの代表作『聖母の神殿奉献(聖母マリアのエリサベツ訪問)』からの構図的影響が示されている。

関連:ティツィアーノ作 『聖母の神殿奉献』


【全体図】
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新大陸の発見を報告するコロンブス。本作はイタリア ジェノヴァ出身の探検家で、大航海時代での大西洋航路の発見で知られる≪クリストファー・コロンブス≫を主題とする歴史画的作品で、新世界の発見から帰還したコロンブスが、盛大な歓迎を受けながら、新大陸の珍しい土産物と合わせてスペイン国王夫妻へ報告をおこなう場面を描いたものである。



【新大陸の発見を報告するコロンブス】
興味深げな眼差しを向ける国王夫妻。ロシアの裕福な貴族デミドフ公の依頼により同氏がフィレンツェのサン=ドナートに所有する別荘の為に制作された作品である本作では、画面中央の宮殿階段上には民族衣装を身に着けたコロンブスが配され、その下部には自身が新大陸で発見した偶像や黄金、毛皮など様々な珍品が描き込まれている。



【興味深げな眼差しを向ける国王夫妻】
新大陸から持ち帰った様々な珍品。本作には明らかにヴェネツィアのアカデミア美術館へ所蔵されるルネサンス期 ヴェネツィア派最大の巨匠ティツィアーノの代表作『聖母の神殿奉献(聖母マリアのエリサベツ訪問)』からの構図的影響が示されている。



【新大陸から持ち帰った様々な珍品】

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