Description of a work (作品の解説)
2010/06/01掲載
Work figure (作品図)
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フレデリック・フランソワ・ショパンの肖像


(Frédéric Chopin) 1838年
45.7×37.5cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

フランス・ロマン主義の偉大なる巨匠ウジェーヌ・ドラクロワを代表する人物画作品『フレデリック・フランソワ・ショパンの肖像』。本作は19世紀前半期を代表するポーランド出身のロマン派の作曲家兼ピアニストで、そのピアノ曲は古今東西のピアニストらにとっては最も重要なレパートリーのひとつとして数えられる≪フレデリック・フランソワ・ショパン≫を描いた作品で、本来はオードロップゴー美術館(デンマーク王立美術館)に所蔵されるショパンと極めて近しい関係にあったフランスの女流作家≪ジョルジュ・サンド(ショパンとの関係はマジョルカ島への逃避行の逸話でも良く知られている)≫の肖像画と合わせて一枚の作品であったことがルーヴル美術館に残されるデッサンによって判明している(※原図ではジョルジュ・サンドの前でピアノを弾くフレデリック・ショパンという形で描かれていた。切断されたのは1863-73年頃と推測)。音楽を愛していたドラクロワはショパンのピアノ曲に強く傾倒していたことが知られており、またジョルジュ・サンドに対してもその人間性に魅力を感じていた為、本作はそのような両者との関係性から生まれたのであろうことは容易に連想することができる。細部の描写などから未完であることが窺い知れる本作では、中空を仰ぐようにやや上部へ視線を向けるフレデリック・ショパンのどことなく夢想的な表情は彼が演奏に没頭している様子の現れであり、≪ジョルジュ・サンドの肖像≫で彼女が節目がちに眼を瞑りショパンのピアノに耳を傾ける姿と見事な呼応を示している。さらに柔らかくも強烈な明暗対比にはこの類稀な音楽家と文筆家の精神的内面の激しい情感を見出すことができる。

関連:『ジョルジュ・サンドの肖像』


【全体図】
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中空を仰ぐようなショパンの視線。本作は19世紀前半期を代表するポーランド出身のロマン派の作曲家兼ピアニスト≪フレデリック・フランソワ・ショパン≫を描いた作品で、本来はショパンと極めて近しい関係にあったフランスの女流作家≪ジョルジュ・サンド≫の肖像画と合わせて一枚の作品であったことがルーヴル美術館に残されるデッサンによって判明している。



【中空を仰ぐようなショパンの視線】
未完を感じさせる荒々しい筆触。中空を仰ぐようにやや上部へ視線を向けるフレデリック・ショパンのどことなく夢想的な表情は彼が演奏に没頭している様子の現れであり、≪ジョルジュ・サンドの肖像≫で彼女が節目がちに眼を瞑りショパンのピアノに耳を傾ける姿と見事な呼応を示している。



【未完を感じさせる荒々しい筆触】
胸元から覗く白いシャツ。音楽を愛していたドラクロワはショパンのピアノ曲に強く傾倒していたことが知られており、またジョルジュ・サンドに対してもその人間性に魅力を感じていた為、本作はそのような両者との関係性から生まれたのであろうことは容易に連想することができる。



【胸元から覗く白いシャツ】

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