Description of a work (作品の解説)
2007/12/06掲載
Work figure (作品図)
■ 

ピエロ(ジル)

 (Pierrot (Gilles)) 1717-1718年頃
184.5×149.5cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

ロココ美術を代表する画家アントワーヌ・ヴァトー随一の傑作『ピエロ(ジル)』。本作は喜劇などで滑稽な格好をし人を笑わせる役者のほか、無言劇(パントマイム)での演者(ゆったりとした白布の衣装は無言劇演者の衣装の定型とされる)も指す≪ピエロ≫を描いた作品で、モデルは当時ピエロ役で名を馳せた喜劇役者ベローニだと考えられている(イタリア喜劇ではピエロ役を務める者をジル(Gilles)と呼称する)。本作の制作意図や目的については諸説唱えられているものの、ほぼ等身大という画面の巨大さなどから現在では、(1)特定の芝居、もしくは催し物を宣伝する為の看板とする説と、(2)ベローニが開店したコーヒー店の看板とする説の、二つの説が有力視されている。画面中央にはピエロ特有の大ぶりの白布の衣服と帽子を身に着けた若い男が直立の姿で配され、その顔立ちは非常に端整である。堂々としていながらも、優しげで、どこか郷愁すら感じさせるピエロ(ジル)の無垢な立ち振る舞いは秀逸の出来栄えであり、一部の研究者からは、このピエロ(ジル)の姿を画家自身の自己投影だとする指摘もされている。またその背後では一段低い場所に他の役者たちや、ロバに乗る黒服の男が描かれており、単身像では得られない場面の状況や風俗的雰囲気を伝えている。なお少々表現の質は落ちるものの、本作と同じピエロの男が登場(画面中央へ描かれる)する作品『イタリアの喜劇役者たち』がワシントン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

関連:『イタリアの喜劇役者たち』


【全体図】
拡大表示
非常に端整な顔立ちをした若いピエロ役の男。本作は喜劇などで滑稽な格好をし人を笑わせる役者のほか、無言劇での演者(ゆったりとした白布の衣装は無言劇演者の衣装の定型とされる)も指す≪ピエロ≫を描いた作品で、モデルは当時ピエロ役で名を馳せた喜劇役者ベローニだと考えられている。



【非常に端整な顔立ちをしたピエロ役】
ピエロ特有の大ぶりの白布の衣服。堂々としていながらも、優しげで、どこか郷愁すら感じさせるピエロ(ジル)の無垢な立ち振る舞いは秀逸の出来栄えであり、一部の研究者からは、このピエロの姿を画家自身の自己投影だとする指摘もされている。



【ピエロ特有の大ぶりの白布の衣服】
一段低い場所に描かれる他の役者たち。本作の制作意図や目的については諸説唱えられているものの、ほぼ等身大という画面の巨大さなどから現在では、(1)特定の芝居、もしくは催し物を宣伝する為の看板とする説と、(2)ベローニが開店したコーヒー店の看板とする説の、二つの説が有力視されている。



【一段低い場所に描かれる他の役者たち】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ