Description of a work (作品の解説)
2008/03/14掲載
Work figure (作品図)
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メズタン

 (Le Mezetin) 1717-1719年頃
55.2×43.2cm | 油彩・画布 | メトロポリタン美術館

フランス・ロココ美術初期の巨匠アントワーヌ・ヴァトーの代表作『メズタン』。本作はイタリア喜劇の有名な役柄(役者)である≪メズタン≫を単身で描いた作品である。≪メズタン≫は通常、1683年、パリにあったイタリア喜劇座でアンジェロ・コンスタンティーニが創作した役柄を指し、本作のモデルも一般的にはコンスタンティーニと解釈されているが、画家と交友のあった画商シロワの義理の息子ジェルサンとする説や、画家の友人(又は知人)を描いたとする説、定期市の喜劇一座が導入したメズタンとする説など諸説唱えられており、現在も議論が続いている。画面中央でギターを弾くメズタンは役柄的には数多くの脇役のひとりであり、主人公の女性に密かな恋心を抱くものの、端から相手にされない男である。本作にはあたかもそれを暗示するかのように、メズタンの背後には女性の石造が背を向けて配されている。本作の最も大きな見所は、緑色系で支配される画面内の色彩の豊かな表現であり、メズタンの身に着ける縦縞の衣服や、深く鬱蒼とした森(又は庭先)の木々などに使用される緑色の多様な色調と表現は、観る者の目を自然と惹きつける。またそれらの色と補色関係にある帽子や肩掛け、靴に付く薔薇の赤色(や朱色、桃色)は色彩の美しさだけではなく、画面を引き締めるアクセント的な効果も発揮している。なお本作以外にもメズタンを描いた作品が、コンデ美術館(メズタン(セレナーデを贈る男、ギターを弾く男、調和))や、ロンドンのウォーレス・コレクション(メズタンの服を着て(シロワとその家族))などに所蔵されている。

関連:『メズタン(セレナーデを贈る男、ギターを弾く男、調和)』
関連:『メズタンの服を着て(シロワとその家族)』


【全体図】
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ギターを弾くメズタンの複雑な表情。本作のモデルは一般的にコンスタンティーニと解釈されているが、画家と交友のあった画商シロワの義理の息子ジェルサンとする説や、画家の友人(又は知人)を描いたとする説、定期市の喜劇一座が導入したメズタンとする説など諸説唱えられており、現在も議論が続いている。



【ギターを弾くメズタンの複雑な表情】
メズタンが抱えるギターの豊かな表現。画面中央でギターを弾くメズタンは役柄的には数多くの脇役のひとりであり、主人公の女性に密かな恋心を抱くものの、端から相手にされない男である。本作にはあたかもそれを暗示するかのように、メズタンの背後には女性の石造が背を向けて配されている。



【メズタンが抱えるギターの豊かな表現】
詩情性に溢れる画家独特の描写。本作の最も大きな見所は、緑色系で支配される画面内の色彩の豊かな表現であり、メズタンの身に着ける縦縞の衣服や、深く鬱蒼とした森(又は庭先)の木々などに使用される緑色の多様な色調と表現は、観る者の目を自然と惹きつける。



【詩情性に溢れる画家独特の描写】

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