Description of a work (作品の解説)
2008/08/17掲載
Work figure (作品図)
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狩りの中の休息

 (Halte chasse) 1737年
220×250cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

18世紀フランスの画家カルル・ヴァン・ローが手がけたロココ様式作品の代表的作例のひとつ『狩りの中の休息』。フォンテーヌブローにあった国王の離宮(小城館)の食堂に飾る装飾画として1737年に制作された本作は、狩りの途中で貴族らが食事休息をおこなう情景(様子)を描いた作品で、同年のサロンにも出品されている。本作の画題≪狩りの中の休息≫はニコラ・ランクレなども手がけるなど、雅宴画(フェート・ギャラント)の代表的な画題として当時は既に一般化していたものの、本作には同様式の枠に収まりきらないカルル・ヴァン・ローの豊かな才能が随所に示されている。軽やかで明瞭な色彩や優美で雅やかな雰囲気の表現は典型的な雅宴画様式を踏襲した貴族好みの表現であるものの、輝きを帯びる光の描写や重厚で濃密な画面構成、活動的で躍動感に溢れた人物の生命力の漲る描写などは明らかに一般的な雅宴画とは一線を画す表現であり、カルル・ヴァン・ローの伝統的で正統的な絵画に対する姿勢が明確に示されている。特に画面下部左側に配される輝くような光に包まれた登場人物の生の喜びに満ち溢れた生命感や画面右側に配される馬車の濃厚な重量感は本作の中でも非常に優れた出来栄えを示しており特筆に値する。また画面のほぼ上半分が用いられた風景の美しい描写も画家の優れた才能を良く示している。


【全体図】
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生の喜びに満ち溢れた登場人物たち。フォンテーヌブローにあった国王の離宮(小城館)の食堂に飾る装飾画として1737年に制作された本作は、狩りの途中で貴族らが食事休息をおこなう情景(様子)を描いた作品で、同年のサロンにも出品された。



【生の喜びに満ち溢れた登場人物たち】
軽やかで明瞭な色彩や優美で雅やかな雰囲気。輝きを帯びる光の描写や重厚で濃密な画面構成、活動的で躍動感に溢れた人物の生命力の漲る描写などは明らかに一般的な雅宴画とは一線を画す表現であり、カルル・ヴァン・ローの伝統的で正統的な絵画に対する姿勢が明確に示されている。



【軽やかで明瞭な色彩や優美な雰囲気】
画面のほぼ上半分が用いられた風景。本作の画題≪狩りの中の休息≫は雅宴画(フェート・ギャラント)の代表的な画題として当時は既に一般化していたものの、本作には同様式の枠に収まりきらない画家の豊かな才能が随所に示されている。



【画面のほぼ上半分が用いられた風景】

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