Description of a work (作品の解説)
2008/03/21掲載
Work figure (作品図)
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聖ルチアの最後の聖体拝領

 1745-50年頃
(Ultima comunione di Santa Lucia) 222×101cm |
油彩・画布 | サンティ・アポストリ聖堂(ヴェネツィア)

18世紀イタリア絵画最大の巨匠ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロを代表する宗教画作品のひとつ『聖ルチアの最後の聖体拝領』。本作に描かれるのは、貧者へ財産を分け与えたことから婚約者の怒りを買い、キリスト教徒だと密告された後、娼妓と同等の刑罰を裁判で裁かれるが、如何様な拷問をおこなおうも傷ひとつ負わせることが出来なかった為に、最後は短剣を頸部へ刺され殉教した、ディオクレティアヌス帝時代(4世紀)のキリスト教の聖女≪聖ルチア(聖ルキア)≫が死の直前に受けたとされる聖体拝領の場面である。画面中央やや右側に、胸の前で腕を交差させながら司教(司祭)から聖体の拝領受ける聖ルチアが描かれ、その周りを囲むようにキリスト教信者が配されている。画面上方には頭部のみで構成される2天使が、さらにその奥(遠景)にはこの聖ルチアの最後の聖体拝領の場面をバルコニーから身を乗り出して眺める2人の男らが描かれている。本作の透明感と壮麗性に満ちた輝きを帯びる色彩によって描写される登場人物の悲劇的かつ悲愴的な瞬間を、画家はドラマティックな場面として魅惑的に描き出している。また厳粛ながら力強い建築的な人物の配置や画面展開はそれらをより効果的に盛り上げており、観る者の目を惹きつける。聖ルチアは、Lucia=光を意味するルチアの美しさに心を奪われた求婚者に、原因となる自らの目をくり抜いて与えるとその求婚者は改宗したという、またルキアが天に祈ると目も回復したという伝説から、眼病の守護聖人としても知られている。


【全体図】
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聖体の拝領を受ける聖ルチア。本作に描かれるのはディオクレティアヌス帝時代(4世紀)のキリスト教の聖女≪聖ルチア(聖ルキア)≫が死の直前に受けたとされる聖体拝領の場面である。



【聖体の拝領を受ける聖ルチア】
聖ルチアに聖体を授ける司教(司祭)。画面中央やや右側に、胸の前で腕を交差させながら司教(司祭)から聖体の拝領受ける聖ルチアが描かれ、その周りを囲むようにキリスト教信者が配されている。



【聖ルチアに聖体を授ける司教(司祭)】
悲劇的かつ悲愴的な瞬間を捉えた場面展開。本作の透明感と壮麗性に満ちた輝きを帯びる色彩によって描写される登場人物の悲劇的かつ悲愴的な瞬間を、画家はドラマティックな場面として魅惑的に描き出している。



【悲愴的な瞬間を捉えた場面展開】

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