Description of a work (作品の解説)
2009/07/19掲載
Work figure (作品図)
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赤髭王フリードリヒ1世に花嫁ブルグンドのベアトリクスを導く太陽神アポロン

 (Apollo che conduce al Barbarossa la sposa, Beatrice di Burgundia) 1751-53年
約900×1800cm | 油彩・画布 | ヴュルツブルク司教館

18世紀イタリア絵画の大画家ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロの最高傑作『赤髭王フリードリヒ1世に花嫁ブルグンドのベアトリクスを導く太陽神アポロン』。本作はヴュルツブルク(現ドイツのバイエルン州内の都市)の司教カール・フィリップ・フォン・グライフェンクラウの依頼により、ロココ様式を代表する建築家バルタザール・ノイマンが1735年頃に建設した≪ヴュルツブルク司教館≫の「皇帝の間」の天井装飾画としてティエポロが同地へ赴き制作したフレスコ画で、主題には初代ヴュルツブルク司教であり、身体的特徴から赤髭王(バルバロッサ)とも呼称された神聖ローマ皇帝≪フリードリヒ1世≫と、ブルグント伯ライナルト3世の娘ベアトリクス・フォン・ブルグントの(政略的)婚姻場面が選定された。画面右側には豪奢な衣服に身を包むベアトリクスが、太陽神アポロン(と太陽神の象徴でもある松明を手にした天使)に導かれつつ(太陽神所有の)白馬に引かれる戦車(馬車)に乗って赤髭王フリードリヒ1世の許へ向かう姿が、躍動感に溢れた軽快な表現で丹念に描き込まれている。画面左側ではドイツ、オーストリア、イタリアなどに跨る大国家集合体であった神聖ローマ帝国皇帝の中でも英雄視されるほど政治に長けていた≪赤髭王≫こと皇帝フリードリヒ1世が、玉座に腰を下ろしながら花嫁ベアトリクスの到着を待ち構えており、その頭上では喇叭(ラッパ)を手にした天使が皇帝フリードリヒ1世の栄光を称えている。正確な遠近法や得意の仰視法などを用いたイリュージョン(錯覚)的でダイナミズムに溢れた画面構成と空間構築、清々しく明瞭な色彩と軽やかで奔放な筆触による幻想性に溢れた主題の表現などは、ティエポロの画業の中でも最も優れた出来栄えを示しており、他のヴュルツブルク司教館装飾画群と共に最高傑作として今も人々を感動させ続けている。


【全体図】
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太陽神アポロンに導かれながら皇帝フリードリヒ1世の許へと向かう花嫁ベアトリクス。本作は当時のヴュルツブルク司教の依頼により≪ヴュルツブルク司教館≫の「皇帝の間」の天井装飾画としてティエポロが同地へ赴き制作したフレスコ画である。



【皇帝の許へと向かう花嫁ベアトリクス】
戦車(馬車)を曳く白馬のイリュージョン的でダイナミズムに溢れた表現。本作の主題には初代ヴュルツブルク司教であり、身体的特徴から赤髭王(バルバロッサ)とも呼称された神聖ローマ皇帝≪フリードリヒ1世≫と、ブルグント伯ライナルト3世の娘ベアトリクス・フォン・ブルグントの(政略的)婚姻場面が選定された。



【白馬のイリュージョン的な表現】
花嫁ベアトリクスの到着を待つ皇帝フリードリヒ1世。正確な遠近法や得意の仰視法などを用いたイリュージョン(錯覚)的でダイナミズムに溢れた画面構成と空間構築、清々しく明瞭な色彩と軽やかで奔放な筆触による幻想性に溢れた主題の表現などは、画家の画業の中でも最も優れた出来栄えを示している。



【ベアトリクスを待つフリードリヒ1世】

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