Description of a work (作品の解説)
2008/02/29掲載
Work figure (作品図)
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コレシュスとカリロエ(カリロエを救うために自らを生贄に捧げるコレスュス)

 (Corésus se sacrifie pour sauver Callirhoé)
1765年 | 309×406cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

ロココ美術の巨匠ジャン・オノレ・フラゴナールが手がけた数少ない神話画・歴史画の中でも特に代表的作例のひとつとして知られる『コレシュスとカリロエ(カリロエを救うために自らを生贄に捧げるコレスュス)』。王立絵画・彫刻アカデミー準会員への承認作品(画家の出世作)でもある本作に描かれるのは、同時代のフランスを代表する作曲家のひとりアンドレ・カルディナル・デトゥーシュ作によるオペラ≪コレシュスとカリロエ(1712年に初演)≫中、最終幕の場面である。画題としては非常に珍しい≪コレシュスとカリロエ≫は、蔓延するペストの猛威から逃れる為に、神託によって生贄に選ばれたカリュドンの美しい娘コレシュスを想っていた大司教カリロエが、生贄として己の身体に刃を付き立て身を捧げることで、コレシュスを救ったという内容で、本作のわざとらしいまでの演劇的な演出や、刃を自身の胸に突き刺すカリロエなど登場人物の姿態も、元がオペラである為、理解できる(これは当時としての流行でもあった)。また本作にはローマ賞を受賞するほど画才に恵まれていたフラゴナールの天賦の才能が良く表れており、ドラマティックに場面を照らし出す強い光と影の表現や、抑制的でありながら輝きを帯びる色彩、的確な形態描写と感情表現などは、観る者を強く惹きつける。なお画家は本作以降、神話画・歴史画を手がけていない。


【全体図】
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自身に刃を付き立て自害する大司教カリロエ。王立絵画・彫刻アカデミー準会員への承認作品(画家の出世作)でもある本作に描かれるのは、同時代のフランスを代表する作曲家のひとりアンドレ・カルディナル・デトゥーシュ作によるオペラ≪コレシュスとカリロエ(1712年に初演)≫中、最終幕の場面である。



【自身に刃を付き立てる大司教カリロエ】
眠るように失神する美女コレシュス。本場面は蔓延するペストの猛威から逃れる為に、神託によって生贄に選ばれたカリュドンの美しい娘コレシュスを想っていた大司教カリロエが、生贄として己の身体に刃を付き立て身を捧げることで、コレシュスを救ったという内容である。



【眠るように失神する美女コレシュス】
驚きと訝しげな表情が混在する神殿に仕える人々。ドラマティックに場面を照らし出す強い光と影の表現や、抑制的でありながら輝きを帯びる色彩、的確な形態描写と感情表現などは、観る者を強く惹きつける。



【訝しげな表情の神殿に仕える男】

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