Description of a work (作品の解説)
2008/05/20掲載
Work figure (作品図)
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日除けをつけた自画像(日除けを被る自画像)


(Autoportrait de Chardin à l'abat-jour) 1775年
46×38.5cm | パステル・紙 | ルーヴル美術館(パリ)

ロココ美術の大画家ジャン・シメオン・シャルダンが晩年に手がけた自画像の傑作『日除けをつけた自画像(日除けを被る自画像)』。視力が著しく衰えた為に油彩による絵画制作がおこなえなくなった画家が、パステルを用いることで新たな新境地を開いた最晩年期の作品である本作は、この頃の画家が度々描いてきた自画像作品のひとつであり、対の作品として画家の2番目の妻フランソワーズ・マルグリット・プージェを描いた『シャルダン夫人の肖像』も制作されている。画面中央やや左寄りに描かれる、薄朱色のリボンのついた頭巾を被り、その上から日除けをつけたシャルダンは、斜めに体躯を構えながら、方向こそ観る者の方へと向けられているが、その視線の先では何か別のものを見ているようである。『シャルダン夫人の肖像』同様、庶民的な衣服に身を包んだシャルダンの姿は王立絵画・彫刻アカデミーの会員として大成した画家とは思えないほど実直であり、まさに一切飾らぬ自身の姿を写している。明暗の対比は厳しく、特に影のかかったシャルダンの顔はどこか情熱的であり、威厳的(威圧的)であるものの、そこには画面の中には納まりきらないほどの屈託の無い人間性を強く感じさせる。またパステル独特の瞬間を捉えるかのような素早いタッチによる表現は、シャルダンの内面的心象を見事に捉えており、『シャルダン夫人の肖像』との心理的対比は圧巻の一言である。対の作品と共に1775年のサロンへと出品された本作は17世紀オランダ絵画黄金期の偉大なる巨匠レンブラント・ファン・レインと比較されるなど、当時はもとより後世の批評家などからも高く評価された。

関連:対画 『シャルダン夫人の肖像』


【全体図】
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衰えぬ情熱を感じさせる画家の瞳。画面中央やや左寄りに描かれる、薄朱色のリボンのついた頭巾を被り、その上から日除けをつけたシャルダンは、斜めに体躯を構えながら、方向こそ観る者の方へと向けられているが、その視線の先では何か別のものを見ているようである。



【衰えぬ情熱を感じさせる画家の瞳】
瞬間を捉えるかのような素早いタッチ。『シャルダン夫人の肖像』同様、庶民的な衣服に身を包んだシャルダンの姿は王立絵画・彫刻アカデミーの会員として大成した画家とは思えないほど実直であり、まさに一切飾らぬ自身の姿を写している。



【瞬間を捉えるかのような素早いタッチ】
強く光が当たる右肩部分。視力が著しく衰えた為に油彩による絵画制作がおこなえなくなった画家が、パステルを用いることで新たな新境地を開いた最晩年期の作品である本作は、この頃の画家が度々描いてきた自画像作品のひとつである。



【強く光が当たる右肩部分】

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