Description of a work (作品の解説)
2008/07/22掲載
Work figure (作品図)
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食卓(食器棚)

 (Buffet) 1728年
194×129cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

18世紀に活躍した当時のフランスを代表する巨匠ジャン・シメオン・シャルダン初期の重要な静物画のひとつ『食卓(食器棚)』。同じ頃に手がけられた画家随一の傑作『赤エイ(赤えいと猫と台所用具)』と共に、王立絵画・彫刻アカデミーの入会選考作品として提出された本作は、食器棚(配膳棚)のような弓状に湾曲した食卓の情景を描いた静物画である。同時代の静物画家デポルトの影響も指摘される本作の食卓の上には銀製の飾り皿に盛られる桃、杏、洋梨などの果物や、岩牡蠣、皮が剥かれた檸檬、水差し、そして葡萄酒やワイングラスなどが雑然と置かれており、背後の壁には鸚鵡のような鳥が一羽、果物を狙うかのように留まっている。さらに画面下部にはその鳥と向かい合うかのように一匹の犬が鳥を見上げている。同時期に制作された『赤エイ』にもその影響が示される17世紀のオランダ絵画黄金期に流行し数多く制作された典型的な食卓画の独特なヴァニタス的(虚栄的)雰囲気を本作から見出すことはできず、むしろ雑然性など生活の延長としての日常性や風俗性を感じさせる。また劇的な描写を用いない静物の簡素な表現も本作の大きな特徴である。この日常性や簡素化(単純化)こそシャルダンが本作で示した静物画の新たな方向性であり、この独自の静物様式はその後、画家が生涯をかけて掘り下げてゆくことになった。


【全体図】
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銀製の飾り皿に盛られる桃、杏、洋梨などの果物。同じ頃に手がけられた画家随一の傑作『赤エイ(赤えいと猫と台所用具)』と共に、王立絵画・彫刻アカデミーの入会選考作品として提出された本作は、食器棚(配膳棚)のような弓状に湾曲した食卓の情景を描いた静物画である。



【銀製の飾り皿に盛られる果物】
食卓の上に置かれた檸檬や水差し。本作の食卓の上には銀製の飾り皿に盛られる桃、杏、洋梨などの果物や、岩牡蠣、皮が剥かれた檸檬、水差し、そして葡萄酒やワイングラスなどが雑然と置かれており、背後の壁には鸚鵡のような鳥が一羽、果物を狙うかのように留まっている。



【食卓の上に置かれた檸檬や水差し】
壁の鳥を見上げる一匹の犬。同時期に制作された『赤エイ』にもその影響が示される17世紀のオランダ絵画黄金期に流行し数多く制作された典型的な食卓画の独特なヴァニタス的(虚栄的)雰囲気を本作から見出すことはできず、むしろ雑然性など生活の延長としての日常性や風俗性を感じさせる。



【壁の鳥を見上げる一匹の犬】

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