Description of a work (作品の解説)
2009/05/26掲載
Work figure (作品図)
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リッチモンド・ハウスから望むホワイトホールとプライヴィ・ガーデン

 (Whitehall e il Privy Garden, da Richmond House)
1746年 | 109×119.5cm | 油彩・画布
グッドウッド・ハウス(リッチモンド=ゴードン公コレクション)

18世紀ヴェネツィア最大の景観画家カナレットがロンドン滞在時手がけた傑作『リッチモンド・ハウスから望むホワイトホールとプライヴィ・ガーデン』。本作はカナレットが英国有数の美術収集家ジョゼフ・スミス氏との交友を経て、1746約10年間ロンドンに滞在していた時に制作された作品の中の1点で、おそらくは画題ともなっているリッチモンド公爵のために制作された景観図である。対の作品として『リッチモンド・ハウスから望むロンドン市街とテムズ川』もほぼ同時期に制作されている本作では画面中央よりやや左部分にバンケティング・ハウスや(その奥へ尖塔が確認できる)線と・マーティン=イン=ザ=フィールズ聖堂が配されている。題名ともなっているホワイトホールは比較的小規模の建築物に囲まれた空間として描かれ、近景(画面下部左側)に広がるプライヴィ・ガーデンにはリッチモンド公爵の姿も従者たちと共に繊細な筆使いで描き込まれいる。本作で最も注目すべき点は秩序的構築に基づいた画面構成と、やや高い視点による遠近的表現にある。バンケティング・ハウスを中心に中景の建物はほぼ水平に配され、それより手前(前景)に描かれるプライヴィ・ガーデンの小道や庭園はテューダ王家のトレジャリー・ゲートへと向かうように配されている。この遠近的効果は広々とした空間構成も手伝い、観る者へ心地良い印象を与えることに成功している。さらに遠景の丹念に描写された街並みと画面の上半分を用いた青々とした空は圧倒的な眺望感と開放感を画面の中へ生み出しており、今も観る者を魅了し続けている。

関連:『リッチモンド・ハウスから望むロンドン市街とテムズ川』


【全体図】
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象徴的に配されるバンケティング・ハウス。対の作品として『リッチモンド・ハウスから望むロンドン市街とテムズ川』もほぼ同時期に制作されている本作では画面中央よりやや左部分にバンケティング・ハウスや(その奥へ尖塔が確認できる)線と・マーティン=イン=ザ=フィールズ聖堂が配されている。



【象徴的なバンケティング・ハウス】
広々としたプライヴィ・ガーデン。本作はカナレットが英国有数の美術収集家ジョゼフ・スミス氏との交友を経て、1746約10年間ロンドンに滞在していた時に制作された作品の中の1点で、おそらくは画題ともなっているリッチモンド公爵のために制作された景観図である。



【広々としたプライヴィ・ガーデン】
従者を連れるリッチモンド公爵。バンケティング・ハウスを中心に中景の建物はほぼ水平に配され、それより手前(前景)に描かれるプライヴィ・ガーデンの小道や庭園はテューダ王家のトレジャリー・ゲートへと向かうように配されている。この遠近的効果は広々とした空間構成も手伝い、観る者へ心地良い印象を与えることに成功している。



【従者を連れるリッチモンド公爵】

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