Description of a work (作品の解説)
2008/12/09掲載
Work figure (作品図)
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リアルト橋の奇想

 1743-1744年頃
(Capriccio : a Palladian Design for Ponte di Rialto)
90.2×130.2cm | 油彩・画布 | 英国王室コレクション

18世紀イタリア随一の景観画家カナレットが手がけた奇想画の代表作『リアルト橋の奇想』。1743年から翌44年にかけてスミス領事の注文により制作された13点の景観画の1点である本作は、画家の故郷ヴェネツィアのカナル・グランデ(大水路)に架かる名高き橋≪リアルト橋≫を描いた作品であるが、本作に描かれるリアルト橋は現実のものではなく、建築家アンドレア・パラーディオによる「建築四書」の中の図面(リアルト橋の構想案)のひとつを、まるで現実に架けられているかのように配している。このような空想と想像によって現実を再構成した都市景観画は≪奇想画(カプリッチョ)≫として確立しており、当時から人気の高かった画題でもある。画面のほぼ中央に架けられる空想上のリアルト橋は、古代の神殿を思わせる12本の石柱と破風をモチーフを中心に、三つのアーチと数本の橋脚で構成されており(※現実のリアルト橋は橋脚が無く弓形である)、その堅牢で威風堂々たる姿は空想上の橋であっても観る者を強く惹きつける。さらに強い陽光によって白く輝く石肌の美しい輝きは、澄んだ上空の青々とした色彩と見事な対比を示しており、互いに引き立て合っている。またカナル・グランデの水上をゴンドラで進む人々や橋の上を行き交う民衆の、のどかで風俗的な様子は、この古代的な雰囲気と溶け合っており、観る者に強い現実感を抱かせる。


【全体図】
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12本の石柱で支えられる古代の神殿的な破風。本作に描かれるリアルト橋は現実のものではなく、建築家アンドレア・パラーディオによる「建築四書」の中の図面(リアルト橋の構想案)のひとつを、まるで現実に架けられているかのように配している。



【石柱で支えられる古代の神殿的な破風】
石畳を行き交う民衆ののどかで風俗的な様子。1743年から翌44年にかけてスミス領事の注文により制作された13点の景観画の1点である本作のような空想と想像によって現実を再構成した都市景観画は≪奇想画(カプリッチョ)≫として確立しており、当時から人気の高かった画題でもある。



【民衆ののどかで風俗的な様子】
カナル・グランデをゴンドラで進む人々。空想上のリアルト橋は、古代の神殿を思わせる12本の石柱と破風をモチーフを中心に、三つのアーチと数本の橋脚で構成されており(※現実のリアルト橋は橋脚が無く弓形である)、その堅牢で威風堂々たる姿は空想上の橋であっても観る者を強く惹きつける。



【カナル・グランデをゴンドラで進む人々】

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