Description of a work (作品の解説)
2009/07/10掲載
Work figure (作品図)
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ロンドン:ラネラーのトロンダの内部


(Interbi della Rotonda di Ranelagh) 1754年
46×75.5cm | 油彩・画布 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー

18世紀イタリアを代表する景観画家カナレット、英国滞在期の著名な傑作『ロンドン:ラネラーのトロンダの内部(ラニラのトロンダ内部)』。本作はカナレットの重要な顧客(パトロン)であったトーマス・ホリスの依頼により制作されたロンドンの景観図6点の中の1作で、当時、最も賑わっていた行楽庭園のひとつである≪ラネラー・ガーデン≫内へ建てられていたトロンダと呼ばれる円形建造物の舞台・社交施設の内部が画題とされている(※余談ではあるが、本作が描かれた10年後に同時代の天才音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトがこの施設で演奏をおこなったことも知られてる)。画面中央の大支柱を中心に、円状に形成されるトロンダの内部では、当時の最新の流行を取り入れた衣服で着飾った人々が優雅に会話や音楽を楽しんでいる。画面右側に配される音楽演奏者用の席では、今まさに演奏がおこなわれている様子である。本作の裏面にはカナレットの直筆で次の言葉が記されている。「1754年、ロンドンにて。敬愛なる我が主トーマス・ホリスの希望により、最大限の業を尽くし、最初にして最後となる本景観を描く。アントニオ・デル・カナル。通称カナレット」。この文章自体はおそらく依頼主であるトーマス・ホリスが、カナレットの制作を証明するために記させたものであると推測されているものの、精緻で丹念な描写を用いた写実的表現や、内向的光彩を感じさせる明暗対比、観る者の興味心を擽る構図・構成は今も色褪せることなく、人々に強い感動を与え続ける。なお別の視点から描かれる同画題の作品『ロンドン:ラネラーのトロンダの内部(別ヴァージョン)』が複数知られている。

関連:別ヴァージョン 『ロンドン:ラネラーのトロンダの内部』


【全体図】
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カナレットの特徴的な細密描写と明暗対比。本作はカナレットの重要な顧客(パトロン)であったトーマス・ホリスの依頼により制作されたロンドンの景観図6点の中の1作で、当時、最も賑わっていた行楽庭園のひとつである≪ラネラー・ガーデン≫内へ建てられていたトロンダと呼ばれる円形建造物の舞台・社交施設の内部が画題とされている。



【画家の特徴的な細密描写と明暗対比】
施設で様々な楽しみ方をする人々。画面中央の大支柱を中心に、円状に形成されるトロンダの内部では、当時の最新の流行を取り入れた衣服で着飾った人々が優雅に会話や音楽を楽しんでいるほか、画面右側に配される音楽演奏者用の席では、今まさに演奏がおこなわれている様子である。



【施設で様々な楽しみ方をする人々】
演奏をおこなう音楽団員たち。余談ではあるが、本作が描かれた10年後に同時代の天才音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトがこの施設で演奏をおこなったことも知られてる。



【演奏をおこなう音楽団員たち】

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