Description of a work (作品の解説)
2009/06/29掲載
Work figure (作品図)
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ロンドン:ノーサンバーランド邸


(London : Northumberland House)
1752年 | 120.7×182.9cm | 油彩・画布
ノーサンバーランド公爵コレクション

18世紀最大の景観画家カナレット、ロンドン滞在期の代表作『ロンドン:ノーサンバーランド邸』。カナレットが英国有数の美術収集家ジョゼフ・スミス氏との交友により1746年から滞在したロンドンで手がけられた本作は、ロンドンのほぼ中心シティ・オブ・ウェストミンスターの一地区であるチャリング・クロスに建設されたノーサンバーランド公爵の邸宅≪ノーサンバーランド邸(ノーサンバーランド・ハウス)≫を描いた作品で、注文主はもちろん画題の所有者となるノーサンバーランド公爵である。画面中央から右側へは朝日によって序々に輝きを帯びてゆくノーサンバーランド邸が見事な細密的描写で丹念に描き込まれており、特に中央玄関の上に配される獅子(ライオン)の像はノーサンバーランド公爵の家柄と権力を象徴するかのように勇壮な雰囲気を醸し出している(※なおこの獅子の像はアイルワースのシオンハウスに移築され、今も現存している)。そして画面右側へは前世紀の彫刻家ユベール・ル・スール(1595-1650年頃)が手がけたピューリタン革命(清教徒革命)でも知られるチャールズ1世の騎馬像が描かれている(このチャールズ1世像もホワイトホールのトラファルガー広場入口に現存している)。これらの注文主の意中の沿った画題の見事な描写も重要すべき点であるものの、本作で最も注目すべき点は、活気に満ちる直前となる風景全体の記録的価値にある。画面下部に描かれる広場の中へは、制服を身に着けた衛兵や荷車で物を運ぶ市民、夜明かし後の散歩を楽しむ貴族の男女など日常的な光景が入念に描写されており、当時の様子が今でもありありと伝わってくる。なお本作は完成後、多数の模写や版画が制作されており、これらによって同国の画家は多大な影響を受けたことが知られている。


【全体図】
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ノーサンバーランド邸玄関上部に配される獅子の像。カナレットが英国有数の美術収集家ジョゼフ・スミス氏との交友により1746年から滞在したロンドンで手がけられた本作は、ロンドンのチャリング・クロスに建設されたノーサンバーランド公爵の邸宅≪ノーサンバーランド邸≫を描いた作品である。



【玄関上部に配される獅子の像】
雄々しいチャールズ1世の騎馬像。画面右側へは前世紀の彫刻家ユベール・ル・スール(1595-1650年頃)が手がけたピューリタン革命(清教徒革命)でも知られるチャールズ1世の騎馬像が描かれている(このチャールズ1世像はホワイトホールのトラファルガー広場入口に現存している)。



【チャールズ1世の騎馬像】
ありふれた市民たちの日常風景。画面下部に描かれる広場の中へは、制服を身に着けた衛兵や荷車で物を運ぶ市民、夜明かし後の散歩を楽しむ貴族の男女など日常的な光景が入念に描写されており、当時の様子が今でもありありと伝わってくる。



【ありふれた市民たちの日常風景】

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