Description of a work (作品の解説)
2008/03/19掲載
Work figure (作品図)
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化粧

 (La Toilette) 1742年 | 52.5×66.5cm
油彩・画布 | テュッセン=ボルネミッサ・コレクション

18世紀フランス絵画の大画家フランソワ・ブーシェの代表作『化粧』。ブーシェの重要なパトロンであり、友人でもあった(又、画家の妻とも親密な関係にあった)スウェーデン大使カール・グスタヴ・テーシンの依頼により、上流階級(貴族階級)の婦人の一日の場面を描いた4点から構成される連作の、最も初期に制作された作品である本作は、ひとりの貴婦人が女中と共に化粧直し(身支度)をする姿を描いた作品である。ストッキングを上げガーターを着ける婦人の姿は、あきらかにヤン・ステーンなど17世紀オランダ風俗画におけるエロティシズムの影響の痕跡が示されており、この婦人の姿態は過去の素描作品からの引用であることが知られている。また女中の後ろ姿の姿態も、身支度をする婦人同様に過去の素描作品が元となっている(参照:『後ろ向きの女中の元素描』)。女中のモデルに関しては(一説には依頼主テーシンと密かに恋愛関係にあったとの憶測もされている)ブーシェの妻とする説も唱えられているが、確証を得るには至っておらず、一般的には否定的である。さらに一部の研究者からはこの椅子に座り身支度を整える婦人の姿と、画家が1739年に手がけた『朝食(昼食)』の登場人物との類似性も指摘されている。本作の婦人や女中が身に着ける(おそらくはシルク地の)衣服の質の高さを感じさせる艶やかな光沢感の描写や、明瞭で輝きに満ちた色彩描写は見事の一言であり、観る者を魅了する。また花鳥図が描かれる屏風や小物類など当時流行していたシノワズリ(中国趣味)の様式を、ロココ様式の特徴である軽やかで優雅な表現を融合させた本作は、まさに時代的趣味(流行)の典型であり、画家の類稀な才能が画面の至る所に遺憾なく発揮されている。なお4点の連作中、本作以外で唯一残されるのが、ストックホルム国立美術館が所蔵する『『朝(身支度)』である。

関連:『後ろ向きの女中の素描』
関連:ストックホルム国立美術館所蔵 『朝(身支度)』


【全体図】
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ストッキングを上げガーターを着ける婦人の姿。友人でもあったスウェーデン大使カール・グスタヴ・テーシンの依頼により、上流階級(貴族階級)の婦人の一日の場面を描いた4点から構成される連作の、最も初期に制作された作品である本作は、ひとりの貴婦人が女中と共に化粧直し(身支度)をする姿を描いた作品である。



【ガーターを着ける婦人の姿】
婦人の着付けを手伝い女中。本作の椅子に座り身支度を整える婦人の姿態は過去の素描作品からの引用であることが知られている。また女中の後ろ姿の姿態も、身支度をする婦人同様に過去の素描作品が元となっている。



【婦人の着付けを手伝い女中】
花鳥図が描かれるシノワズリ(中国趣味)風の屏風。シノワズリ(中国趣味)の様式を、ロココ様式の特徴である軽やかで優雅な表現を融合させた本作は、まさに時代的趣味の典型であり、画家の類稀な才能が画面の至る所に遺憾なく発揮されている。



【花鳥図が描かれるシノワズリ風の屏風】
細部まで丁寧に描写された小物類。女中のモデルに関しては(一説には依頼主テーシンと密かに恋愛関係にあったとの憶測もされている)ブーシェの妻とする説も唱えられているが、確証を得るには至っておらず、一般的には否定的である。



【細部まで丁寧に描写された小物類】

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