Description of a work (作品の解説)
2008/06/11掲載
Work figure (作品図)
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連作≪四季−春≫

 (The Four Seasons - Spring) 1755年
54.3×72.7cm | 油彩・画布 | フリック・コレクション

ロココ時代隆盛期最大の巨匠のひとりフランソワ・ブーシェを代表する連作『四季』より『春』。かつてはマリニ侯爵が旧蔵していた本作は、宮殿や邸宅などの室内の装飾用の連作絵画作品として(一説にはフランス国王ルイ15世の公妾ポンパドゥール夫人から)ブーシェに依頼され制作された、優雅な田園風景の中に春、夏、秋、冬と≪四季≫を画題とした作品群のひとつである。≪四季≫の中から≪春≫を画題とした作品である本作の画面中央では、艶やかな光沢のある黄色地の衣服を身に着けた若い女が、恥らうかのように視線をそらしながら恋人であろう若い男に寄り掛かっている。一方、赤い上着を肩に掛けた青い衣服に身を包む若い男は、若く美しい恋人の娘の頭に、若い女が手にする花篭の中の色鮮やかな花から作ったのであろう花飾りをつけている。両者の紅潮した頬や緊密な距離感、親密な様子からは、二人の恋の謳歌を如実に感じさせる。画家の作風の典型である甘美な世界観やエロティックな雰囲気も本作の大きな魅力であるが、何と言っても本作の最も大きな見所は輝くような色彩の描写にある。本作の主人公である若い女と男には黄色、赤色、青色と画面の中で最も鮮やかで眼に映える色彩を用いながら、艶のある質感を強調するかのように光を効果的に表現している。その周囲に配される小動物(山羊)や楽器などの前景はやや陰を強めて暗く描写されており、若い女と男の色彩をより際立たせている。またる画面右側部分の遠景には燦燦と陽光を受け光り輝く牧歌的な田園風景が描かれており、この大気感に溢れる表現も見事である。

関連:連作≪四季−夏≫
関連:連作≪四季−秋≫
関連:連作≪四季−冬≫


【全体図】
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視線を逸らしつつ恋人に寄り添う若い娘。かつてはマリニ侯爵が旧蔵していた本作は、室内の装飾用の連作としてブーシェに依頼され制作された、優雅な田園風景の中に春、夏、秋、冬と≪四季≫を画題とした作品群のひとつである。



【視線を逸らしつつ恋人に寄り添う若い娘】
若い娘の頭に花飾りをつける恋人の若い男。両者の紅潮した頬や緊密な距離感、親密な様子からは、二人の恋の謳歌を如実に感じさせ、画家の作風の典型である甘美な世界観やエロティックな雰囲気も本作の大きな魅力である。



【若い娘の頭に花飾りをつける若い男】
陽光を受け光り輝く牧歌的な田園風景。本作の主人公である若い女と男には黄色、赤色、青色と画面の中で最も鮮やかで眼に映える色彩を用いながら、艶のある質感を強調するかのように光を効果的に表現している。



【陽光を受け光り輝く牧歌的な田園風景】

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