Description of a work (作品の解説)
2008/10/12掲載
Work figure (作品図)
■ 

エジプトへの逃避途上の休息


(Repos pendant la fuite en Egypte) 1757年
139×149cm | 油彩・画布 | エルミタージュ美術館

盛期ロココ様式最大の巨匠フランソワ・ブーシェが晩年期に手がけた宗教画の代表的な作例のひとつ『エジプトへの逃避途上の休息』。本作に描かれる主題はユダヤの王ヘロデが、己の地位を脅かすであろう未来の王イエスの降誕を恐れ、ベツレヘムに生まれる2歳以下の新生児の全てを殺害するために兵士を放ったものの、聖母マリアの夫である聖ヨセフが天使から「幼子イエスとマリアを連れエジプトへ逃げよ、そして再び私が現れるまでそこへ留まれ。」と託宣を受け、聖母マリアと幼子イエスを連れエジプトへと逃避したという場面≪エジプトへの逃避途上の休息≫で、宗教的主題にも関わらず非常に優美でロココ趣味的な装飾的描写によって構成されているのが大きな特徴である。画面右下に岩に腰掛け書物を読む聖母マリアの横姿や一匹の子羊が配され、聖母マリアの足下(画面中央下部分)には幼子イエスが幼児洗礼者聖ヨハネへ洗礼をおこなうような仕草で描き込まれている。そしてその上部(画面中央)では夫聖ヨセフが輝きを帯びた光の雲から出現した天使らを驚くような表情で見上げている。本作に描かれる聖母マリアの文化的香りの漂う優雅な読書行動を始め、やや明暗対比が大きく輝きに満ちた陰影表現、繊細で装飾的優美性に富んだ構成要素や色彩描写には宗教的精神性というより、装飾絵画としての通俗的な性格が強く示されている。また画面左側の流れる川の描写や遠景の建築物の表現にもブーシェ独特のドラマチック的展開を見出すことができる。


【全体図】
拡大表示
幼児聖ヨハネへ洗礼をおこなうような仕草の幼子イエス。本作に描かれる主題は聖ヨセフが聖母マリアと幼子イエスを連れエジプトへと逃避する場面≪エジプトへの逃避途上の休息≫で、宗教的主題にも関わらず非常に優美でロココ趣味的な装飾的描写によって構成されているのが大きな特徴である。



【幼児聖ヨハネと幼子イエスの姿】
岩に腰掛け読書する聖母マリアの優美な姿。画面右下に岩に腰掛け書物を読む聖母マリアの横姿や一匹の子羊が配され、聖母マリアの足下(画面中央下部分)には幼子イエスが幼児洗礼者聖ヨハネへ洗礼をおこなうような仕草で描き込まれている。



【岩に腰掛け読書する聖母マリア】
出現した天使らを見上げる夫聖ヨセフ。聖母マリアの文化的香りの漂う優雅な読書行動を始め、やや明暗対比が大きく輝きに満ちた陰影表現、繊細で装飾的優美性に富んだ構成要素や色彩描写には宗教的精神性というより、装飾絵画としての通俗的な性格が強く示されている。



【出現した天使らを見上げる夫聖ヨセフ】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ