Description of a work (作品の解説)
2006/01/08掲載
Work figure (作品図)
■ 

奴隷の奇蹟

 (Miracolo dello schiavo) 1548年頃
415×541cm | 油彩・画布 | アカデミア美術館(ヴェネツィア)

ティントテットの全作品中、最も世に知られている作品のひとつであり、盛期ルネサンスヴェネツィア派絵画を代表する傑作『奴隷の奇蹟』。ヴェネツィアのサン・ロッコ同信会館の装飾画として制作された本作の主題は、キリスト十二使徒の聖ペトロの弟子として布教に同道した福音書記者のひとりで、ヴェネツィアの守護聖人でもある≪聖マルコ≫の奇蹟を描いたものであるが、特筆すべきはその表現にある。ヴェネツィア画壇の重鎮ティツィアーノにも相当の衝撃を与えた本作の、誇張された短縮法を用いて描かれた劇的な場面展開や、ヴェネツィア派の大きな特徴である豊かな色彩を使用した表現手法に加え、徹底された写実性で描かれる非現実的な奇蹟の場面は、当時、賞賛と批難の激しい論争を起こした。


【全体図】
拡大表示
ヴェネツィア派の大きな特徴である豊かな色彩。ヴェネツィアのサン・ロッコ同信会館の装飾画として制作された本作の主題は、キリスト十二使徒の聖ペトロの弟子として布教に同道した福音書記者のひとりで、ヴェネツィアの守護聖人でもある≪聖マルコ≫の奇蹟を描いたものである。



ヴェネツィア派の特徴的な色彩】
写実される非現実的な奇蹟の瞬間。この自然主義的な写実性と場面の非現実性によってティントレットはヴェネツィア派の最も重要な画家のひとりとして、独自的な創造性を示した。



【写実される非現実的な奇蹟の瞬間】
誇張された短縮法を用いて描かれた劇的な場面展開。制作された当時、賞賛と批難の激しい論争を起こした本作の表現手法はヴェネツィア画壇の重鎮ティツィアーノにも相当の衝撃を与えたとの逸話も残されている。



【誇張された短縮法を用いた場面展開】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ