Description of a work (作品の解説)
2004/09/27掲載
Work figure (作品図)
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キリストの神殿奉献

 (Presentazione di Gesu al tempio)
1554年頃 | 239×298cm | 油彩・画布 | アカデミア美術館

ヴェネツィアのサンタ・マリア・ディ・クロチフェリ聖堂の祭壇画として描かれた『キリストの神殿奉献』。円熟味を帯びていった画家の作風がよく表れている作品としても知られる本作の主題は、聖母マリアと夫ヨセフに連れられ、エルサレムの神殿で身を清める儀式をおこなうキリストを描く≪キリストの神殿奉献≫。作品からは、引き伸ばされた人物像や劇的な場面描写など、繊細かつ大段な表現で描かれているのがわかる。身を清めるために、エルサレムの神殿で老シメオンにその御身を渡される幼子キリストなどに示されるよう、この頃から画家が描く人物はヴェネツィア派らしく鮮やかに着色されながらも、人体プロポーションはマニエリスム的な長身化をしていった(老シメオンは救世主(キリスト)と出会うまで、その身が死することは無いと聖告を受けていたとされ、後に司祭長と同一視されるようになった)。また聖母の背後には同じく幼子の姿で描かれる洗礼者聖ヨハネと、幼児洗礼者聖ヨハネを抱き、この場面を見守るマグダラのマリアの姿が描かれている。


【全体図】
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身を清めるために、エルサレムの神殿で老シメオンにその御身を渡される幼子キリスト。この頃から画家が描く人物はヴェネツィア派らしく鮮やかに着色されながらも、人体プロポーションはマニエリスム的な長身化をしていった。



【身を清められるキリストの御身】
キリストの御身を手渡す聖母マリア。聖母の背後には同じく幼子の姿で描かれる洗礼者聖ヨハネと、ヨハネを抱きこの場面を見守るマグダラのマリアの姿が描かれている。



【キリストの身を渡す聖母マリア】
幼子キリストの御身を受け取る老シメオン。老シメオンは救世主(キリスト)と出会うまで、その身が死することは無いと聖告を受けていたとされ、後に司祭長と同一視されるようになった。



【キリストの身を受ける老シメオン】

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