Description of a work (作品の解説)
2006/04/30掲載
Work figure (作品図)
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アポロとマルシュアス

 (Apollo e Marsia) 1495年頃
39×29cm | テンペラ・油彩・板 | ルーヴル美術館

15世紀のフィレンツェで絶大な人気を誇っていたペルジーノによる神話画の代表的な作例『アポロとマルシュアス』。本作は酒神バッカスの従者サテュロスのひとりであったマルシュアスが、戦争を司る最高女神ミネルヴァの呪いがかけられた笛を拾い巧みに演奏したことから、巨人族の娘レトと主神ユピテルとの間に生まれた双子のひとりで、文明や知識、音楽を司る神であるほか太陽神とも同一視されるアポロ(双子の妹は地母神ディアナ)に音楽の競技を挑む場面≪マルシュアスの皮剥ぎ≫を典拠に描かれた作品で、ペルジーノの曖昧さも残す甘美な独自の様式と落ち着きのある牧歌的な風景描写が見事に示されている。この≪マルシュアスの皮剥ぎ≫の神話はマルシュアスは笛(管楽器)を、アポロが弦楽器を奏でその腕前を競い合う場面であるが、審判者がアポロの従者ムーサ(主神ユピテルと記憶の女神ムネモシュの間に生まれた九人の娘で詩や歌などの女神)であった為にアポロが勝利し、勝者が敗者を自由に扱う決まりであったことからアポロによってマルシュアスは木に吊るされ、生きたまま皮を剥がれた息絶えたとされている。


【全体図】
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マルシュアスの演奏を見つめる太陽神アポロ。本作は酒神バッカスの従者のひとりマルシュアスが、女神ミネルヴァの呪いがかけられた笛を拾い巧みに演奏したことから、音楽を司る神であるほか太陽神とも同一視されるアポロに音楽の競技を挑む場面≪マルシュアスの皮剥ぎ≫を典拠に描かれた作品である。



【演奏を見つめる太陽神アポロ】
笛を奏でるマルシュアス。その後、審判者がアポロの従者ムーサであった為にアポロが勝利し、勝者が敗者を自由に扱う決まりであったことからアポロによってマルシュアスは木に吊るされ、生きたまま皮を剥がれた息絶えたとされている。



【笛を奏でるマルシュアス】
落ち着きのある牧歌的な風景描写。本作に示される曖昧さも残す甘美な独自の様式と落ち着きのある牧歌的な風景描写は当時のフィレンツェで絶大な人気を誇っており、20年近く国内で最も注文を受ける画家として活躍した。



【落ち着きのある牧歌的な風景描写】

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