Description of a work (作品の解説)
2005/09/07掲載
Work figure (作品図)
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オリーブ山の祈り

 (Preghiera nell'orto) 1455年頃
63×80cm | テンペラ・板 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー

マンテーニャ初期の代表作品のひとつ『オリーブ山の祈り』。主題は弟子である聖ペトロ、小ヤコブ、聖ヨハネの三人を連れゲツセマネのオリーブ山上で自らに迫る災い(磔刑)を退けるよう、父なる神に祈りを捧げる場面を描いた≪オリーブ山の祈り≫であるが、特筆すべきはその風景描写である。画家として独り立ちをして間もない画家マンテーニャの若い才気が存分に示される硬質的な風景描写は豊かな色彩によって丹念に描写されながらも、画家らしい古典を思わせる独自性が見られる。また画面上部のイエス、画面下部の弟子達など登場人物の感情的な表現にも、マンテーニャの優れた力量がうかがえる。弟子のひとりであったイスカリオテのユダの裏切りと、自らに迫る災いを予知したイエスが、父なる神へ災いを退けるよう父なる神へ祈りを捧げるイエスの姿が印象的な本作の天使たちが乗る雲は石材のように硬質的に描かれた。また磔刑で使用される十字架のほか、受難の象徴である石柱なども受難具として当時からよく描かれた。本作には深い眠りに陥る聖ペトロ、小ヤコブ、聖ヨハネの三人が画面下部に配されるほか、画面右部にはイエスを試そうとローマ軍へ居場所を密告したユダと、イエスを捉えにきたローマ軍が描かれている。


【全体図】
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弟子のひとりであったイスカリオテのユダの裏切りと、自らに迫る災いを予知したイエスが、父なる神へ災いを退けるよう父なる神へ祈りを捧げるイエス。



【父なる神へ祈りを捧げるイエス】
受難具を運ぶ天使たち。天使たちが乗る雲は石材のように硬質的に描かれた。また磔刑で使用される十字架のほか、受難の象徴である石柱なども受難具として当時からよく描かれた。



【受難具を運ぶ天使たち】
深い眠りに陥る聖ペトロ、小ヤコブ、聖ヨハネの三人。また画面右部にはイエスを試そうとローマ軍へ居場所を密告したユダと、イエスを捉えにきたローマ軍が描かれている。



【眠りに陥るペトロ、小ヤコブ、ヨハネ】

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