Description of a work (作品の解説)
2006/05/24掲載
Work figure (作品図)
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書物の聖母

 (Madonna del libro) 1468年以後
38×30cm | テンペラ・板 | スフォルツァ城市立美術館

15世紀ロンバルディア派の代表する画家ヴィンチェンツォ・フォッパ初期の重要作『書物の聖母』。窓枠を思わせる額の中に書物を手にする慈愛の聖母マリアと幼子イエスを配した典型的な≪聖母子像≫を描いた小作であるが、本作に示される情愛と憂いが複雑に交差する聖母マリアの独特な表情や祝福のポーズをとる幼子イエスの纏うローマ風の薄着を始め、落ち着きを感じさせる褪せた色彩表現や、暗く沈みながらもその中に非常に繊細な光彩表現が為されるなど本作にはヴィンチェンツォ・フォッパの実験的な手法が随所に示されている。また本作にはロザリオの装飾がなされた幾何学的な枠組みの使用や、その周囲に配されるローマ文字による銘文などパドヴァ派の代表的な画家アンドレア・マンテーニャが色濃く示されており、15世紀ロンバルディア派を代表する画家の様式形成において特に重要視される作品のひとつとして知られている。


【全体図】
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複雑な表情を浮かべる聖母マリア。本作は窓枠を思わせる額の中に書物を手にする情愛と憂いが複雑に交差する慈愛の聖母マリアとローマ風の薄着を纏う幼子イエスを配した典型的な≪聖母子像≫を描いた小作である。



【複雑な表情を浮かべる聖母マリア】
ローマ風の衣装を身に纏い祝福のポーズをとる幼子イエス。落ち着きを感じさせる褪せた色彩表現や、暗く沈みながらもその中に非常に繊細な光彩表現が為されるなど本作にはヴィンチェンツォ・フォッパの実験的な手法が随所に示されている。



【祝福のポーズをとる幼子イエス】
本作名の由来となった聖母マリアが手にする書物。本作にはロザリオの装飾がなされた幾何学的な枠組みの使用や、その周囲に配されるローマ文字による銘文などパドヴァ派の代表的な画家アンドレア・マンテーニャが色濃く示されている。



【聖母マリアが手にする書物】

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