Description of a work (作品の解説)
2006/04/19掲載
Work figure (作品図)
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マルス神殿から龍を追い出す聖ピリポ(聖ピリポ伝より)


(San Filippo scaccia il drago dal tempio di Marte)
1497-1502年頃 | フレスコ | サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂

15世紀フィレンツェ派を代表する画家のひとりフィリッピーノ・リッピが手がけたマニエリスム様式の先駆的代表作『マルス神殿から龍を追い出す聖ピリポ』。フィリッポ・ストロッツィの依頼により15年の歳月を経て完成したサンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂内の装飾壁画≪福音書記者聖ヨハネと聖ピリポ伝≫中のひとつである本作に描かれるのは、キリスト十二弟子のひとり聖フィリポ(ピリポ)がヒエラポリスで軍神マルスの化身である悪龍と対決する有名な逸話で、神経質な線描や非現実的な色彩、混沌や不安定を感じさせる構図、大げさに誇張された人物の表情などはそれまでの調和と古典に支配されていたフィレンツェの様式とは決定的に異なり、この後隆盛していくことになるマリエリスムの前兆と見なされている。ベトサイダ出身で洗礼者聖ヨハネよりイエスの存在を教えられ弟子入りし、主の昇天後はスキタイやフリギアで布教活動をおこなった聖フィリポの逸話の中で最も有名な≪悪龍と対峙する聖フィリポ≫は、ヒエラポリスに建てられた軍神マルスの化身である悪龍を崇めるマルス神殿に十字架を建てたところ、悪龍が現れ王子を始めとする数名が惨殺するも、聖フィリポの奇蹟により死者が蘇生した伝説的な逸話で、その後聖フィリポは、怒ったマルス神殿の司祭らによって逆十字に縛られ石責めをされ殉教したとされている。


【全体図】
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悪龍と対峙する聖フィリポ。フィリッポ・ストロッツィの依頼により15年の歳月を経て完成したサンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂内の装飾壁画≪福音書記者聖ヨハネと聖ピリポ伝≫中のひとつである本作に描かれるのは、キリスト十二弟子のひとり聖フィリポ(ピリポ)がヒエラポリスで軍神マルスの化身である悪龍と対決する有名な逸話である。



【悪龍と対峙する聖フィリポ】
軍神マルスの化身である悪龍。聖フィリポの逸話の中で最も有名な≪悪龍と対峙する聖フィリポ≫は、ヒエラポリスに建てられた軍神マルスの化身である悪龍を崇めるマルス神殿に十字架を建てたところ、悪龍が現れ王子を始めとする数名が惨殺するも、聖フィリポの奇蹟により死者が蘇生した伝説的な逸話で、その後聖フィリポは、怒ったマルス神殿の司祭らによって逆十字に縛られ石責めをされ殉教したとされている。



【軍神マルスの化身である悪龍】
マニエリスムの前兆となる混沌とした建築的モティーフ。神経質な線描や非現実的な色彩、混沌や不安定を感じさせる構図、大げさに誇張された人物の表情などはそれまでの調和と古典に支配されていたフィレンツェの様式とは決定的に異なり、この後隆盛していくことになるマニエリスムの前兆と見なされている。



【混沌とした建築的モティーフ】

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