Description of a work (作品の解説)
2006/03/16掲載
Work figure (作品図)
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反逆者たちの懲罰(コラ、ダタン、アビラムの懲罰)


(Punizione dei Ribelli) 1481-82年頃
348.5×570cm | フレスコ | システィーナ礼拝堂(ヴァティカン)

ボッティチェリが当時の著名な画家たちと共に手がけたシスティーナ礼拝堂側壁画制作における代表的な作例のひとつ『反逆者たちの懲罰(コラ、ダタン、アビラムの懲罰)』。1481から82年にかけて、ペルジーノ、ピントリッキオ、ギルランダイオ、コジモ・ロッセリ、ピエロ・ディ・コジモ、ルカ・シニョレッリら当時活躍していた画家たち同様、ローマに招かれ制作に携わったシスティーナ礼拝堂の側壁画≪モーセ伝≫や≪キリスト伝≫の内、ボッティチェリの代表的な作例である本作は、キリスト教美術の図像としては非常に珍しい旧約聖書『律法(モーセ五書)』より律法者モーセへ叛逆したコラ、ダタン、アビラムの懲罰の場面が中央と左右に三場面として描かれている。中央の場面では司祭アロンに反抗し薫香を捧げようとしたコラの従者が、モーセの放った見えない炎によって焼かれる姿が描かれ、背景には初めてキリスト教を公認した皇帝聖コンスタンティヌス帝の凱旋門が配されている。また右部にはモーセを石打せんとするダタンの一行が、左部にはモーセによって現れた大地の裂け目に落ちるアビラム等が描かれている。この律法者モーセによる父なる神への反逆者たちへの懲罰の各場面は、鮮やかな色彩と透明感による三つに分かれた古代風の都市風景に重なり、非常に美を意識させる描写がなされ、人物描写においてもボッティチェリの特徴的な古典を感じさせる優美性を示している。なお、ボッティチェリは本作のほかにシスティーナ礼拝堂の側壁画として『モーセの生涯の出来事』『キリストの誘惑と癩病者の浄め』を手がけた。

関連:ボッティチェリ作『モーセの生涯の出来事』
関連:ボッティチェリ作『キリストの誘惑と癩病者の浄め』


【全体図】
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司祭アロンに反抗し薫香を捧げようとしたコラの従者に対し見えない炎を放ったモーセ。本作はキリスト教美術の図像としては非常に珍しい旧約聖書『律法(モーセ五書)』より律法者モーセへ叛逆したコラ、ダタン、アビラムの懲罰の場面が中央と左右に三場面として描かれている。



【コラの従者に見えない炎を放つモーセ】
キリスト教を公認した皇帝聖コンスタンティヌス帝の凱旋門。中央の場面では司祭アロンに反抗し薫香を捧げようとしたコラの従者が、モーセの放った見えない炎によって焼かれる姿が描かれ、右部にはモーセを石打せんとするダタンの一行が、左部にはモーセによって現れた大地の裂け目に落ちるアビラム等が描かれている。



【コンスタンティヌス帝の凱旋門】
古代風の都市風景。この律法者モーセによる父なる神への反逆者たちへの懲罰の各場面は、鮮やかな色彩と透明感による三つに分かれた古代風の都市風景に重なり、非常に美を意識させる描写がなされ、人物描写においてもボッティチェリの特徴的な古典を感じさせる優美性を示している。



【古代風の都市風景】

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