Description of a work (作品の解説)
2009/10/19掲載
Work figure (作品図)
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サン・ベルナール峠を越えるナポレオン・ボナパルト


(Bonaparte franchissant les Alpes au Grand Saint Bernard) 1801年
260×221cm | 油彩・画布 | マルメゾン国立美術館

新古典主義の偉大なる巨匠ジャック=ルイ・ダヴィッドが手がけた肖像画の代表的作品『サン・ベルナール峠を越えるナポレオン・ボナパルト』。本作はイタリア獲得を目指したフランス軍が1800年にアルプスを越え同国北部へ進軍する際の≪ナポレオン・ボナパルト≫の姿を描いた作品で、ダヴィッドは生涯中、数多くのナポレオンの肖像画を手がけているが、本作はその中で最も有名な作品として広く知られている。画面中央へ配される愛馬マレンゴに跨るナポレオンは悪天候による強風で衣服が靡く中、右手を掲げ、兵士たちを鼓舞しながら、当時としては極めて非常識的であったアルプス越えの作戦を勇猛果敢に指揮している。その姿はフランスの英雄としての姿そのものであり、今日でも我々が抱くナポレオンのイメージとして第一に挙げられる。しかし、実際にサン・ベルナール峠越えをおこなった際は、ポール・ドラロッシュによって後年制作された『アルプスを越えるボナパルト』でも分かるよう、天候にも恵まれる中、防寒具に身を包み山道(悪路)に強いロバに乗ってアルプスを越えたことが明らかとなっており、本作には≪英雄≫としてのナポレオン像を示すというプロパガンダ(政治的な意図や宣伝目的)の側面が色濃く反映されている。さらに本作を制作する際、ダヴィッドはナポレオンにポーズを要求するものの「肖像は似ているかどうかが問題なのではなく、その人物の偉大さが伝わればよい」と拒否され、仕方なく代わりに息子(又は弟子)にポーズを取らせ制作されたとの逸話が残されている。新古典主義表現の第一人者として知られているダヴィッドではあるが、本作の躍動感に溢れた馬の描写やドラマチックな場面表現は新古典主義と対極に位置するロマン主義的な印象も強く、その意味においても本作のフランス絵画史における意義は特筆に値するものである。

関連:ポール・ドラロッシュ作『アルプスを越えるボナパルト』


【全体図】
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美化される英雄ナポレオンの凛々しい姿。本作はイタリア獲得を目指したフランス軍が1800年にアルプスを越え同国北部へ進軍する際の≪ナポレオン・ボナパルト≫の姿を描いた作品で、ダヴィッドは生涯中、数多くのナポレオンの肖像画を手がけているが、本作はその中で最も有名な作品として広く知られている。



【美化される英雄ナポレオンの姿】
卓越した写実的表現と調和的な色彩。画面中央へ配される愛馬マレンゴに跨るナポレオンは悪天候で衣服が靡く中、右手を掲げ、兵士たちを鼓舞しながら、当時としては極めて非常識的であったアルプス越えの作戦を勇猛果敢に指揮している。



【卓越した写実的表現と調和的な色彩】
猛る愛馬マレンゴの荒々しい姿。本作に描かれるナポレオンの姿はフランスの英雄としての姿そのものであり、今日でも我々が抱くナポレオンのイメージとして第一に挙げられるものの、実際とは異なる様子で描かれた本作には≪英雄≫としてのナポレオン像を示すというプロパガンダ(政治的な意図や宣伝目的)の側面が色濃く反映されている。



【猛る愛馬マレンゴの荒々しい姿】
画面奥で北イタリアへ進軍するフランス兵たち。新古典主義表現の第一人者として知られているダヴィッドではあるが、本作の躍動感に溢れた馬の描写やドラマチックな場面表現はロマン主義的な印象も強く、その意味においても本作のフランス絵画史における意義は特筆に値するものである。



【北イタリアへ進軍するフランス兵】

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