homeページ ≫ Collection ≫ 常設展示 ≫ マニエリスム ≫ ポントルモ (Pontormo) 2005/03/18掲載 【全体図】 拡大表示 ■ 聖母子と2聖人 （Madonna con il Bambino e due santi） 1522年頃 | 72×60cm | Oil on panel | ウフィツィ美術館 現在もポントルモによる作品か議論されているが、今のところ同画家の手によるものとされているウフィツィ美術館所蔵の『聖母子と2聖人』。色褪せの侵攻は否めないが、強い色彩同士のコントラストと典型を成す構図によって生まれる、古典的な調和の崩壊がポントルモ作品とされる所以のひとつである。様式的に見ると非常に古典的構図によって描かれる玉座の聖母マリアと幼子イエスの姿。しかし配される人物の姿勢、視線、身振りや表情によって示唆される意味が、それまでの様式美や古典的表現を開放している。また本作中に描かれる2天使は同時期に活躍していたロッソ・フィオレンティーノの作品『玉座の聖母子と4人の聖人』中下部に配される天使像の類似点も注目されている。 【聖母マリアと幼子イエス】 様式的に見ると非常に古典的構図によって描かれる玉座の聖母マリアと幼子イエスの姿。しかし配される人物の姿勢、視線、身振りや表情によって示唆される意味が、それまでの様式美や古典的表現を開放している。 【聖母子の傍らに立つ聖ヒエロニムス】 半裸で聖母子の傍らに立つ聖ヒエロニムス。この半裸の姿は苦行時代の聖ヒエロニムスを表し、聖ヒエロニムス自身が擁護した正統的信仰と禁欲主義を表現したものとされる。また画面左下端には聖ヒエロニムスを象徴するライオンも描かれている。 【懸命に話す聖フランチェスコ】 聖母子の方を向き、懸命に話す聖フランチェスコ。右手を自身の胸に当て、左手を広げるその姿からは、聖フランチェスコの神経質的な不安が表れている。 【画面下部に配される2天使像】 画面下部に配される2天使。これは同時期に活躍していたロッソ・フィオレンティーノの作品『玉座の聖母子と4人の聖人』中下部に配される2天使にも類似していることから、本作の注目点のひとつとされている。 Copyright (C) Salvastyle.com - ++ All Rights Reserved.