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homeページCollection常設展示マニエリスム
Introduction of an artist(アーティスト紹介)
画家人物像

パルミジャニーノ Parmigianino
1503-1540 | イタリア | マニエリスム

マニエリスム初期から中期にかけてボローニャやパルマ、ローマなどで活躍した、同時代を代表する画家。レオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロラファエロなど偉大なるルネサンスの巨匠のほか、先人であったエミリア派の画家コレッジョロッソ・フィオレンティーノから影響を強く受けながら、マニエリスムの大きな特徴である、引き伸ばされた官能美に溢れた人物やその人体構造の他、非現実的かつ幻視的な特異の様式などパルミジャニーノ独自な画風を形成したと考えられている。享年が37歳と若くしてこの世を去っているが、その晩年は深く錬金術に傾倒し、精神が危機的状況にあったとも伝えられている。


Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説)
【全体図】
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凸面鏡の自画像 (Autoritratto allo specchio) 1523-24年
直径24.4cm | Oil on panel | ウィーン美術史美術館

ルネサンスより描かれ始めた自画像作品の歴史の中でも、特に白眉の部類に属し、当時より圧倒的な評価を受けているパルミジャニーノの代表作『凸面鏡の自画像』。現代ではガラス板の裏面に銀メッキ処理をおこなう平面鏡が一般的であるが、当時は平面鏡を製造する技術が確立されておらず、鏡といえば凸面鏡が一般的であり、本作は画家が21歳の頃、床屋の鏡台を覗き込んだ際に着想を得たと記録には残っている。凸面鏡に写の画家自身や、拡大し歪曲した手を始めとする周辺部分の表現は、まさに見事の一言である。自己を見つめるパルミジャニーノの表情。21歳とは思えぬほど若々しく端正な顔立ちであったパルミジャニーノだが、錬金術に傾倒した頃に描かれた自画像では、その面影はなく、酷く老廃した姿をしている(関連:1540年に描かれた自画像)。

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【全体図】
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聖ヒエロニムスの幻視 (Visione di san Gerolamo) 1527年
343×149cm | Oil on panel | The National Gallery, London

マニエリスム全盛期に燦然と輝く活躍を残した画家パルミジャニーノの幻影的で特異的な作品『聖ヒエロニムスの幻視』。西方教会四大博士の一人で、3世紀から4世紀にかけて数々の功績と伝説を残した聖書学者で教父でもある聖人、聖ヒエロニムスが苦行の末に視た、威光に包まれ現れる聖母子と、それを指す洗礼者聖ヨハネの姿の幻影を、パルミジャニーノは特異とも取れる独特の人体表現と構図で描いた。画面下部では朱色の衣を下半身に纏った半裸の聖者ヒエロニムスが、深い瞑想によって大地に倒れ意識が薄れゆく姿と、挑戦的とも取れる眼差しで作品を見る者と視線を交わしながら、父なる神の光に包まれる栄光の聖母子の、絶対的な存在感を指し示す洗礼者聖ヨハネの姿は、そのドラマティックな一瞬を目の当たりにすることの重大さを、観者に問いかけているかのようであり、うねりにも似た運動性と躍動に満ちている。これに対し画面上部に配されている、神々しく威厳に満ちた光に包まれる聖母マリアと幼子イエスの姿は、それまで描かれてきた典型的な聖母子の姿とは決定的に異なり、特に幼子イエスは、幼児とは思えないほど長身で端正なプロポーションと表情をしているのが、大きな特徴である。

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【全体図】
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聖母子と聖ザカリヤ、マグダラのマリア、幼児聖ヨハネ
(Madonna col Bambino, san Zaccaria, la Maddalena e san Giovannino) 1530年頃 | 73×60cm | 油彩・板 | ウフィツィ美術館

ウフィツィ美術館が所蔵する、パルミジャニーノの代表作のひとつ『聖母子と聖ザカリヤ、マグダラのマリア、幼児聖ヨハネ』。主題は聖母マリアと幼子イエスの聖母子を中心に、諸聖人を配する≪聖会話≫であるが、祭壇画の典型とは言いがたいマニエリスム独特の雰囲気と、能動的な人物の動作が際立つ、パルミジャニーノ作風がよく現れている。特に画面最前面へ配される聖ザカリヤの存在感と、戯れる幼子イエスと、幼い洗礼者聖ヨハネの表現は、画家の全作品の中でも特に優れたものとして、批評家や研究者たちの意見は一致している。また本作は、その完成度の高さから、幾多の画家によって多数の模写が描かれた。パルミジャニーノの作風らしく、聖母マリアはあくまでも流麗かつ繊細に描かれ、その表現は、聖性を示すというより、人間の理想美を示している。また能動的に動作の洗礼者聖ヨハネと受動的な幼子イエスとの姿は、後の二人の関係性を示していると考えられる。画面左端に配される娼婦であったマグダラのマリアが、成長したキリストの前でその罪を悔い、その御足に香油を塗ったとされることから、香油はマグダラのマリアを描く際の持ち物として、広く描かれるモティーフとなった。

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長い首の聖母 (Madonna dal collo lungo) 1535年頃
216×132cm | 油彩・板 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

マニエリスムを代表する画家パルミジャニーノが手がけた同様式の傑作『長い首の聖母』。宗教画としは極めて異質な部類に入る、このパルミジャニーノの名画は、美の新たな可能性を追求したマニエリスムという時代に描かれる作品群の大きな様式的特徴である、極端に強調された遠近法、引き伸ばされ捩れを有する独特の人体構造が顕著に示され、それは同時にパルミジャニーノの傑出した表現力と世界観を表すものでもある。本作は数年間に渡った芸術の都ローマでの滞在を終え、故郷であるパルマへ戻って描かれた作品で、ローマ時代に触れたラファエロの影響を随所に感じられるものの、極端に引き伸ばされた象牙を思わせる危うく妖艶ながら極めて美麗な肢体はルネサンスに始まった自然への回帰と古典美術様式を、いとも容易く超越し、芸術家の理想に富んだひとつの美の可能性を体言している。また本作は画面奥の衣服を巻きつける男に見られるよう、一部は未完のままである。聖母マリアの頭部を頂点とした爪先までの身体の流れは、流麗なS字の曲線を形成し、それは人間が感覚的に美しいと感じられる形のひとつを示すものでもあった。ルネサンスの自然的で人間らしさを探求する様式は消え、どこか人工的な印象を思わせる本作の聖母マリアはそれ自体が非現実的であり、同時に理想像でもある。

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Work figure (作品図)

◆キリストの洗礼
不明 | 油彩・板 | 204×133cm | ベルリン美術館

◆聖カタリナの神秘の結婚と洗礼者聖ヨハネと福音書記者聖ヨハネ、聖エヴァンジェリスタ
1521年 | テンペラ・板 | 203×130cm | サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ聖堂

◆聖母子と聖ステファノ、洗礼者ヨハネ、寄進者
不明 | 油彩・板 | 235×161cm | ドレステン国立絵画館

◆聖バルバラ
不明 | 油彩・板 | 41.9×31.4cm | プラド美術館(マドリッド)

◆幼児キリストの割礼
不明 | 油彩・板 | 41.9×31.4cm | シカゴ美術館(デトロイト)

◆聖家族(エジプトへの逃避途上の休息)
1524年 | 油彩・板 | 110×89cm | プラド美術館(マドリッド)

◆聖カタリナの神秘の結婚
1524年頃 | 油彩・板 | 73×118cm | パルマ国立美術館

◆バラの聖母
1529-1530年頃 | 油彩・板 | 109×88.5cm | ドレステン国立絵画館

◆聖カタリナの神秘の結婚
1525-1526年 | 油彩・板 | 74.2×57.2cm | ロンドン・ナショナル・ギャラリー

◆聖クロスと寄進者
1527年 | 油彩・板 | 270×197cm | サン・ペトロニオ大聖堂(ボローニャ)

◆聖パウロの回心
1527-1528年 | 油彩・画布 | 177.5×128.5cm | ウィーン美術史美術館

◆聖母子と聖マリガリータ、聖人たち、天使
1528-29年 | 油彩・板 | 222×147cm | ボローニャ国立絵画館

◆アンテア(若い女性の肖像、ガレアッツォ・サンヴィターレ)
1524-27年頃 | 油彩・板 | 36×86cm | カポディモンテ国立美術館(ナポリ)

◆弓を作るキューピッド
1531-1534年 | 油彩・板 | 135×63cm | ウィーン美術史美術館

◆ルクレティア
1538-40年頃 | 油彩・板 | 67×51cm | カポディモンテ国立美術館(ナポリ)
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