Description of a work (作品の解説)
2008/01/25掲載
Work figure (作品図)
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寓話(おとぎ話)

 (La Fable) 1883年
65×81cm | 油彩・画布 | 個人所蔵

印象主義時代に活躍した女流画家ベルト・モリゾ作『寓話(おとぎ話)』。本作に描かれるのは、ブージヴァルの別荘の庭でモリゾと画家の最愛の夫であるウジェーヌ・マネとの間に生まれた娘ジュリーと、ジュリーの教育係(子守)として裕福なモリゾの一家に雇われた使用人パジーが遊ぶ姿である。本作の名称『寓話(おとぎ話)』は、19世紀フランスを代表する詩人のひとりステファヌ・マラルメによって付けられたものであると後に成長した(大人になった)ジュリーが告白しているが、本場面がジュリーがパジーに対して話をしているところなのか、それとも逆にパジーがジュリーに寓話(おとぎ話)を聞かせているところなのか、我々観者にはその内容を知る由もない。画面の左部分に描かれる娘ジュリーや垣根に咲く花々の桃色がかった赤色と、右部分に描かれるパジーの腰掛けるベンチや庭に生える草木の緑色、パジーの青い衣服と隣に置かれる籠の黄色などの色彩的対照性は見事である。また画家独特の素早く自由闊達に動く筆触による対象や背景の処理、柔らかな光の温もりを感じさせる包容的な陽光の表現、平穏で幸福的な場面描写などは画家の作品の大きな特徴のひとつであり、本作にもそれらが良く示されている。


【全体図】
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緑色のベンチに腰掛ける使用人パジー。本作に描かれるのは、ブージヴァルの別荘の庭でモリゾと画家の最愛の夫であるウジェーヌ・マネとの間に生まれた娘ジュリーと、ジュリーの教育係(子守)として裕福なモリゾの一家に雇われた使用人パジーが遊ぶ姿である。



【緑色のベンチに腰掛ける使用人パジー】
パジーの前で小さな椅子に座るジュリー。本作の名称『寓話(おとぎ話)』は、19世紀フランスを代表する詩人のひとりステファヌ・マラルメによって付けられたものであると後に成長した(大人になった)ジュリーが告白している。



【パジーの前で小椅子に座るジュリー】
垣根に咲く濃桃色がかった花々。画面の左部分に描かれる娘ジュリーや垣根に咲く花々の桃色がかった赤色と、右部分に描かれるパジーの腰掛けるベンチや庭に生える草木の緑色、パジーの青い衣服と隣に置かれる籠の黄色などの色彩的対照性は見事である。



【垣根に咲く濃桃色がかった花々】

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