Description of a work (作品の解説)
2007/06/02掲載
Work figure (作品図)
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ゆりかご

 (Le bercau) 1872年
56×46cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象派を代表する女流画家ベルト・モリゾの手による傑作『ゆりかご』。1874年開催の第1回印象派展に出品された本作に描かれるのは、モリゾと共に絵画を学び作品を制作していたものの、結婚によりその道が閉ざされた姉エドマと、その2人目の娘ブランシュの姿で、対象への注目に特化した大胆な構図的アプローチや、母性を感じさせる繊細な女性的感性による表現が大きな特徴のひとつである。画面右部分で黒の縦縞の衣服をまとった姉エドマは左手を頬に当てながら我が子ブランシュを慈しむかのように見つめている。一方次女ブランシュは薄いヴェールに包まれたゆりかごに揺られ穏やかな眠りについている。現在では(一見すると)ごく平凡でありきたりな母子を描いた作品と思われがちであるが、主対象のひとつであるブランシュをヴェールで包み存在感を薄めることによって、姉エドマの母性や幸福感をより強調している。このように画題の主対象として描かれる親(本作では母)と子の絵画的重要度に差をつけることは、当時としては珍しく、かつ母としての母性に注力したことは斬新なものであった。当時姉エドマは夢であった絵画への道が結婚によって閉ざされたことに落胆しており、母親としての役割がそれを癒すものであることを願ったモリゾの心情が反映されていると解釈されている。また姉エドマの背後のカーテンなどに見られる透明感を含んだ平面的な画面構成や空間描写、柔らかな質感表現など本作に示される印象主義的技法も注目に値する。


【全体図】
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我が子を見つめるベルト・モリゾの姉エドマ。1874年開催の第1回印象派展に出品された本作に描かれるのは、モリゾと共に絵画を学び作品を制作していたものの、結婚によりその道が閉ざされた姉エドマと、その2人目の娘ブランシュの姿である。



【我が子を見つめるモリゾの姉エドマ】
ゆりかごに揺られ安らかに眠るブランシュ。主対象のひとつであるブランシュをヴェールで包み存在感を薄めることによって、姉エドマの母性や幸福感をより強調している。このように画題の主対象として描かれる親(本作では母)と子の絵画的重要度に差をつけることは、当時としては珍しく、かつ母としての母性に注力したことは斬新なものであった。



【ゆりかごに揺られ眠るブランシュ】
明感を含んだ平面的な画面構成。当時姉エドマは夢であった絵画への道が結婚によって閉ざされたことに落胆しており、母親としての役割がそれを癒すものであることを願ったモリゾの心情が反映されていると解釈されている。



【明感を含んだ平面的な画面構成】

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