Description of a work (作品の解説)
2007/06/22掲載
Work figure (作品図)
■ 

キャステルノー=ル=レズの村の眺め


(Vue de village Castelnau-le-Laz) 1868年
130×89cm | 油彩・画布 | ファーブル美術館(モリエンペ)

初期印象派を代表する画家フレデリック・バジール作『キャステルノー=ル=レズの村の眺め』。1868年のサロンに出品され見事入選した作品である、印象主義を代表する女流画家ベルト・モリゾが「屋外の人物を配し描く、それは我々がしばしば試みていたことだ」と賞賛を贈ったのを始め、幾多の人から高い評価を得た本作に描かれるのは、キャステルノー=ル=レズの村を背景に若い娘が座する姿で、初期の印象主義作品での屋外的肖像画の代表作としても知られている。陽光が射し込み、背後の樺の木が落す柔らかい陰影の中、白く品の良い衣服に身を包む娘は印象的な瞳で観る者と視線を交わらせている。白地の衣服と相性良く収まる、頭部に結ばれた髪結い布や衣服の縦縞、腰に当てられた帯などの紅橙色は、画家の洗練された色彩感覚の表れであるほか、周辺の木々の緑色の補色関係にもある紅橙色は強い印象を観る者に与える。また前景より一際明瞭な光と色彩で描かれる遠景に見える町や風景の鮮やかな色彩が作り出す色彩的対比効果も本作の注目すべき点のひとつである。縦長の画面に描かれる本作で用いられた人物の座姿による肖像画的絵画手法は、観る者にやや古典的な印象すら与えるものの、キャステルノー=ル=レズの心地よい空気感や陽射しの質感などはアトリエ制作では得られない屋外制作での絶大な効果を良く示しており、画家の豊かな才能を感じさせる。


【全体図】
拡大表示
樺の木の木陰に座る若い娘。白地の衣服と相性良く収まる、頭部に結ばれた髪結い布や衣服の縦縞、腰に当てられた帯などの紅橙色は、画家の洗練された色彩感覚の表れであるほか、周辺の木々の緑色の補色関係にもある紅橙色は強い印象を観る者に与える。



【樺の木の木陰に座る若い娘】
娘が身に着ける白く品の良い衣服。本作は1868年のサロンに出品され見事入選した作品である、印象主義を代表する女流画家ベルト・モリゾが「屋外の人物を配し描く、それは我々がしばしば試みていたことだ」と賞賛を贈ったのを始め、幾多の人から高い評価を得ている。



【娘が身に着ける白く品の良い衣服】
前景より一際明瞭な光と色彩で描かれる遠景。本作に描かれるのは、キャステルノー=ル=レズの村を背景に若い娘が座する姿で、初期に制作された印象主義作品での屋外的肖像画の中でも、特に代表作として知られている。



【明瞭な光と色彩で描かれる遠景】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ