Description of a work (作品の解説)
2005/09/19掲載
Work figure (作品図)
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セビーリャの水売り

 (Aguador de Sevilla) 1619-1620年頃
106.7×81cm | 油彩・画布 | ウェリントン美術館(ロンドン)

若きベラスケスの早熟な才能が示される初期の代表作『セビーリャの水売り』。修行時代を過ごしたセビーリャの地で師パチェーコから学んだ写実描写と厳しい明暗対比が特徴的な本作は、セビーリャで水売りをしている身なりの貧しい初老の男と、それを買いにきた少年、その背後には水を飲む男が画面の中で一定のリズムを保ちながら描かれており、この重要な風俗画の大きな要素となっている。また身なりの貧しい初老の男が持つ二つの水瓶と、少年が手にするグラスの極めて写実的な描写にはベラスケスの早熟な才能が存分に発揮され、圧倒的なリアリズムが見られる。また、本作は制作されてから長い年月が経つゆえ、変色など傷みが厳しかったが、1959年に修復された。


【全体図】
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身なりの貧しい初老の水売り。また本作はこの初老の水売りのほか、水を買いにきた少年と、その背後には水を飲む男によって人物構成され、画面の中で一定のリズムを保っている。



【身なりの貧しい初老の水売り】
ガラスの曇りまで細密に描写されるグラス。ベラスケスの源流ともなるセビーリャ派の大きな特徴である無骨な写実描写と厳しい明暗対比は、当時のスペインにおいて、最も描かれていた表現手法のひとつであった。



【曇りまで細密に描写されるグラス】
圧倒的なリアリズムによる描写。この素焼きの水瓶の質感をも表現する徹底した写実的描写は、当時のベラスケスの画風を構成する重要な要素で、画家の早熟な才能が示されている。



【圧倒的なリアリズムによる描写】

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