Description of a work (作品の解説)
2008/08/31掲載
Work figure (作品図)
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公園(遊ぶ子供たち、問いかけ、乳母、会話、赤い傘)


(Jardins publics (Fillettes jouant, L'interrogatoire, Les nourrices, La conversation, L'ombrelle rouge)) 1894年頃
各作品による | 泥絵具・画布 | オルセー美術館(パリ)

エドゥアール・ヴュイヤールの代表作『公園(遊ぶ子供たち、問いかけ、乳母、会話、赤い傘)』。泥絵具(デトランプ、テンペラの一種)を用いて制作された本作は、前衛芸術としてナビ派を擁護していた雑誌「ルヴュ・ブランシュ」の主催者タデ・ナタンソンの兄アレクサンドル・ナタンソンの依頼により、同氏の自宅の食堂の装飾画として制作された9点1組のパネル作品≪公園≫の中でオルセー美術館が所蔵する5作品(左から)『遊ぶ子供たち(215×88cm)』、『問いかけ(215×92cm)』、『乳母(213×73cm)』、『会話(213×154cm)』、『赤い傘(214×81cm)』である。本5作品は制作から約35年経過した後の1929年に売却された際、オルセー美術館へと収蔵された作品(他4作品は分散)で、作品群の名称ともなっている≪公園≫の中での日常的な情景が各パネルには描かれている。本項で紹介する5作品の最左の作品『遊ぶ子供たち』では中景に走り回る子供たちが描かれ、前景にはその親であろう二人の婦人らが長椅子に座り談笑している。さらにその前には一本の樹木が配されており画面展開的な面白さを付与している。『問いかけ』では母親らしき婦人が飾り帽子を被る子供に何か声をかけている姿が画題となっており、『遊ぶ子供たち』と『問いかけ』は背景などの繋がりから隣り合う作品であったことをうかがい知ることができる。一方、『乳母』、『会話』、『赤い傘』の3作品は背景の柵などから同一の視点・構図によって画面が展開しているものの、地面に落ちる影などの繋がりが認められない点から個々が独立していることがわかる。何れの作品も日本の版画を思わせるような平面性や明確な輪郭線が顕著に示されているほか、隣り合う色面の優れた調和性や光に満ちた明瞭な色彩など、本作では日常的な画題を装飾性豊かに扱ったヴュイヤール作品の特徴を随所に感じることができる。


【全体図】
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≪公園≫の中での日常的な情景。本作は前衛芸術としてナビ派を擁護していた雑誌「ルヴュ・ブランシュ」の主催者タデ・ナタンソンの兄アレクサンドル・ナタンソンの依頼により、同氏の自宅の食堂の装飾画として制作された9点1組のパネル作品≪公園≫の中でオルセー美術館が所蔵する5作品である。



【≪公園≫の中での日常的な情景】
日本の版画を思わせるような平面性。本5作品は制作から約35年経過した後の1929年に売却された際、オルセー美術館へと収蔵された作品(他4作品は分散)で、作品群の名称ともなっている≪公園≫の中での日常的な情景が各パネルには描かれている。



【日本の版画を思わせるような平面性】
隣り合う色面の優れた調和性や光に満ちた明瞭な色彩。本5作品も日本の版画を思わせるような平面性や明確な輪郭線が顕著に示されているほか、隣り合う色面の優れた調和性や光に満ちた明瞭な色彩など、本作では日常的な画題を装飾性豊かに扱ったヴュイヤール作品の特徴を随所に感じることができる。



【色面の優れた調和性や明瞭な色彩】

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