Description of a work (作品の解説)
2009/08/29掲載
Work figure (作品図)
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マスター・ヘア(フランシス・ジョージ・ヘアの肖像)


(Master Hare) 1788年
77×63cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

18世紀イギリスの最も重要な画家のひとりジョシュア・レノルズが手がけた子供をモデルとした肖像画の傑作『マスター・ヘア(フランシス・ジョージ・ヘアの肖像)』。1788年に手がけられた本作は、アンナ・マリア・シップレイのために、同氏の甥≪フランシス・ジョージ・ヘア≫をモデル制作された肖像画作品である。通称『マスター・ヘア』と呼ばれる本作はモデルが10歳の時の姿を描いた作品で、子供の自然的な純真性や活力と生命感に溢れる愛らしい表現は、今も観る者を魅了する。画面中央に描かれるフランシス・ジョージ・ヘアは無邪気に右腕を上げ何かを指差すような仕草を見せている。その肉体には緊張は全く示されず、非常に自然的で純真な姿態は、我々を強く惹き付ける。さらに軽く巻かれた金髪の柔らかでしなやかな曲線は、この幼い子供の無垢で甘美な笑顔を、より魅力的に見せることに成功している。そして健康的な血色の良さを感じさせる紅潮した頬、白く輝く肌、身に着ける衣服(モスリン)に用いられる白色と赤褐色などは、意図的に深い緑暗色が用いられる(画面右側の)樹木やその葉と見事な対比を示している。さらに描写手法に注目しても、やや大ぶりで軽快な筆触が特徴的な筆捌きによる画面処理や、詩情性を感じさせる場面表現などには画家の子供を描いた肖像画での典型的様式が示されている。


【全体図】
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自然で純真な表情を浮かべるフランシス・ジョージ・ヘア。通称『マスター・ヘア』と呼ばれる本作はモデル≪フランシス・ジョージ・ヘア≫が10歳の時の姿を描いた作品で、子供の自然的な純真性や活力と生命感に溢れる愛らしい表現は、今も観る者を魅了する。



【純真な表情を浮かべるフランシス】
やや大ぶりで軽快な筆触。本作の描写手法に注目しても、やや大ぶりで軽快な筆触が特徴的な筆捌きによる画面処理や、詩情性を感じさせる場面表現などには画家の子供を描いた肖像画での典型的様式が示されている。



【やや大ぶりで軽快な筆触】
子供に使用される明瞭な色彩を引き立てる樹木。健康的な血色の良さを感じさせる紅潮した頬、白く輝く肌、身に着ける衣服(モスリン)に用いられる白色と赤褐色などは、意図的に深い緑暗色が用いられる樹木やその葉と見事な対比を示している。



【明瞭な色彩を引き立てる樹木】

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