Description of a work (作品の解説)
2009/09/16掲載
Work figure (作品図)
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ホガースの召使いたち

 (Hogarth's Servants) 1750-55年頃
63×75.5cm | 油彩・画布 | テート・ギャラリー(ロンドン)

18世紀英国を代表する画家であり、同国近代絵画の創始的存在ウィリアム・ホガース作『ホガースの召使いたち(ホガースの使用人の六つの頭部)』。本作はホガースが雇っていた様々の年齢の使用人たちを描いた肖像画作品であるが、使用人たちの名称は画面右上の老人(ベン・アイウズ)しか判明していない。画面上部の中央には少年に近い若い男性、その隣(画面上部左側)には30代に近いであろう夫人が、画面のほぼ中央には成人した男性が、そして画面下部左右には若い女性が配されている本作は、画家が死の直前まで手元に置いていたことからホガース自身にとっても特に重要視していた作品であることを容易に連想することができる。それは晩年の画家の作品は様式的にやや流行遅れの感が否めず、画家自身の性格も災いして幸せとは言い難いものであり、そのような状況であるが故に己(ホガース)を慕う人々の存在はより重要であったと考えられる。ホガースはこのような私的な肖像画作品に囲まれ暮らすことを強く希望していたようであり、本作はその意味においての典型的な作例として位置付けられている。表現自体に注目してみると、全て異なった視点や角度から捉えられる各人物の統一的な光彩計画や、個々の個性が存分に描き出された頭部や表情の描写には、今も観る者を惹き付ける魅力が宿っている。


【全体図】
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唯一氏名が判明している老人ベン・アイウズ。本作はホガースが雇っていた様々の年齢の使用人たちを描いた肖像画作品であるが、使用人たちの名称は画面右上の老人(ベン・アイウズ)しか判明していない。



【氏名が判明する老人ベン・アイウズ】
統一的な光彩による人物の表現。本作は、画家が死の直前まで手元に置いていたことからホガース自身にとっても特に重要視していた作品であることを容易に連想することができる。



【統一的な光彩による人物の表現】
人物の個性を感じさせる描写。画家はこのような私的な肖像画作品に囲まれ暮らすことを強く希望していたようであり、本作はその意味においての典型的な作例として位置付けられている。



【人物の個性を感じさせる描写】

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