Description of a work (作品の解説)
2004/09/21掲載
Work figure (作品図)
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三美神

 (Tre Grazie) 1504-05年頃
17×17cm | 油彩・板 | コンデ美術館(シャンティイ)

1504年から1505年頃にかけて描かれたとされるラファエロの寓意画『三美神』。本作は同時期、同サイズで制作された『騎士の夢(知恵の寓意)』との対画であろうと考えられており、共にローマのヴォルケーゼ家が旧蔵し、現在『三美神』はシャンティイのコンデ美術館が、『騎士の夢』はロンドン・ナショナル・ギャラリーが所蔵している。対画『騎士の夢(知恵の寓意)』の眠れる騎士スキピオは、ヴィーナス(快楽)とミネルバ(徳)のどちらかを選択する試練を受け、本作『三美神』では(徳)を選択した騎士に、褒美として与えられるヘスペリデスの林檎(黄金の林檎)を手にしている。ギリシャ神話における美と優雅の女神たち≪三美神≫は、通常アグライア(輝き)、エウフロシュネー(喜び)、タレイア(花の盛り)の三女神を指し、美しい若い娘の姿で表される。本作の三美神の調和に溢れた均整的な古典的表現や図像展開は、フィレンツェ派の大画家ボッティチェリによる『春(ラ・プリマベーラ)』中に描かれる三美神と共に、ルネサンスを代表する三美神の表現として広く認知されている。

関連:ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵『騎士の夢』


【全体図】
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ギリシャ神話における美と優雅の女神たち≪三美神≫。通常アグライア(輝き)、エウフロシュネー(喜び)、タレイア(花の盛り)の三女神を指し、美しい若い娘の姿で表される。



【美と優雅の女神三美神】
対画『騎士の夢(知恵の寓意)』の眠れる騎士スキピオは、ヴィーナス(快楽)とミネルバ(徳)のどちらかを選択する試練を受け、本作『三美神』では(徳)を選択した騎士に、褒美として与えられるヘスペリデスの林檎(黄金の林檎)を手にしている。



【ヘスペリデスの林檎】

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