Description of a work (作品の解説)
2005/09/11掲載
Work figure (作品図)
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キリストの磔刑

 1475年
(Crocifissione con la Madonna e san Giovanni Evangelista)
59.7×42.5cm | 油彩・板 | アントウェルペン王立美術館

アントネッロ・ダ・メッシーナの傑作『キリストの磔刑』。イエスがゴルゴダの丘で十字架に架けられる場面を描く、キリスト教の中でも最重要視される教義のひとつである主題≪磔刑≫は、画家が生涯において繰り返し描いてきた主題でもあり、その中でも本作は最も複雑で劇的な構想によって描かれた作品である。やや陰鬱な印象を受ける情景の中、聖母マリアと静ヨハネを画面下部へ、主役となるイエスを画面上部へ配することによって生み出される中央の空間は場面へ虚空的な効果を与え、人間の罪を償い続けた神の子イエスの存在感を一層高めている。また左右に配される盗人の捻られる身体の動的な描写は、イエスの苦悶と苦悩を強調している。背景に描かれる色彩豊かな風景の描写はフランドル絵画の細密描写の影響を感じさせる。また構成的に高い位置に描かれるイエスと十字架は、画面内の空間の中で浮かび上がり、よりイエスの存在を強調している。聖母マリアと静ヨハネを画面下部へ、主役となるイエスを画面上部へ配することによって生み出される中央の空間は場面へ虚空的な効果を与えている。


【全体図】
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人間の罪を償い続けた神の子イエス。イエスの表現はあくまで聖性を失うことなく描かれた。左右に配される盗人の捻られる身体の動的な描写は、イエスの苦悶と苦悩を強調している。



【人間の罪を償い続けた神の子イエス】
イエスの苦悶に崩れるマリア。背景に描かれる色彩豊かな風景の描写はフランドル絵画の細密描写の影響を感じさせる。また構成的に高い位置に描かれるイエスと十字架は、画面内の空間の中で浮かび上がり、よりイエスの存在を強調している。



【イエスの苦悶に崩れるマリア】
祈りを捧げる福音書記者聖ヨハネ。聖母マリアと静ヨハネを画面下部へ、主役となるイエスを画面上部へ配することによって生み出される中央の空間は場面へ虚空的な効果を与えている。



【祈りを捧げる福音書記者聖ヨハネ】

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