Description of a work (作品の解説)
2006/05/26掲載
Work figure (作品図)
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魔女キルケ(魔女メリッサ)

 1523年頃
(Maga Circe (Maga Melissa))
176×174cm | 油彩・画布 | ボルケーゼ美術館(ローマ)

16世紀フェラーラ派を代表する画家ドッソ・ドッシの難解で文学的な魅力に包まれた名作『魔女キルケ(魔女メリッサ)』。本作にはアリオストの≪狂乱のオデュッセウス≫に由来する太陽神ヘリオスと女神ペルセイスとの間に生まれた娘≪魔女キルケ≫が描かれていると伝統的に唱えられているが、神官であったメリッサとする説も有力視されている。また本作の図像的解釈についても諸説唱えられており、研究者によってその回答もまちまちであるが、それは本作に示される難解で文学的な表現にある。自らの魔力によって自身に仇なす者(又は敵と判断する者)をライオンや狼などの獣(や怪物)に変えてしまうアイアイエ島に住む魔女キルケは呪術具らしき人形を見つめ、その手には古文的文献と火が灯される松明が握られている。また足下には円形の魔方陣や武具、犬、花などの植物が配され本作における魔女キルケの魔女たる所以を表現している。≪狂乱のオデュッセウス≫とは航海途中でアイアイエ島に立ち寄ったオデュッセウスとその一行が魔女キルケによってオデュッセウス以外豚に変えられるも、オデュッセウスはヘルメス(メルクリウス)に授けられた薬草モーリュによって魔女キルケの魔法に打ち勝つという伝説的逸話であるが、本作に描かれる魔女キルケは豪華で色彩豊かなヴェネツェア派的特長が色濃く反映されている。


【全体図】
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太陽神ヘリオスと女神ペルセイスとの間に生まれた娘≪魔女キルケ≫。本作は伝統的にアリオストの≪狂乱のオデュッセウス≫に由来する≪魔女キルケ≫を描いたものだとされているが、神官であったメリッサとする説も有力視されている。



【魔女キルケの姿】
呪術具らしき人形。本作の図像的解釈についても諸説唱えられており、研究者によってその回答もまちまちであるが、それは本作に示される難解で文学的な表現にある。自らの魔力によって自身に仇なす者獣(や怪物)に変えてしまうアイアイエ島に住む魔女キルケは呪術具らしき人形を見つめ、その手には古文的文献と火が灯される松明が握られている。



【呪術具らしき人形】
豪華で色彩豊かなヴェネツェア派的特長が色濃く反映される魔女キルケの衣服。また足下には円形の魔方陣や武具、犬、花などの植物が配され、本作における魔女キルケの魔女たる所以を表現している。



【豪華で色彩豊かな魔女キルケの衣服】
オデュッセウス一行の姿。≪狂乱のオデュッセウス≫とは航海途中でアイアイエ島に立ち寄ったオデュッセウスとその一行が魔女キルケによってオデュッセウス以外豚に変えられるも、オデュッセウスはヘルメスに授けられた薬草モーリュによって魔女キルケの魔法に打ち勝つという伝説的逸話である。



【オデュッセウス一行の姿】

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