Description of a work (作品の解説)
2006/04/16掲載
Work figure (作品図)
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ナスタジオ・デリ・オネスティの物語


(Novella di Nastagio degli Onesti) 1483年
各83×138cm | テンペラ・板 | プラド美術館(マドリッド)他

ボッティチェリ成熟期を代表する作品のひとつ『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語』。アントニオ・プッチの息子でロレンツォ・ディ・メディチの甥でもあるジャノッツォ・プッチとルクレツィア・ビーニの婚礼の際に同家から依頼され手がけられた、カッソーネ(長持)かベッドの一部だと考えられている本作は、ボッカッチョの小説≪デカメロン≫中の騎士道に関する主題である第五日第八話『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語』を典拠に描かれた全4作品からなる作品群で、全てボッティチェリの構想によって弟子であるバルトロメオ・ディ・ジョヴァンニやヤコポ・デル・セッライオの手が加わりながら制作された。本作に描かれる『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語』は、恋人パオラ・トラヴェルサーリに拒絶され自身の不幸に沈むナスタジオが、騎士と犬に追いかけられ責め苦を受ける女性を目撃する場面から始まり、この騎士はナスタジオ同様想い人に拒絶され自殺した騎士で、自殺した原因は騎士を拒絶した想い人の残忍さにあるとし、想い人の内臓を引き裂くなど責め苦を与え、ナスタジオが恋人パオラとその家族を招き同場面を目撃させると、恋人パオラはナスタジオに心を許し結婚に同意したという話で、各場面の調和の取れた構成と、豊かな色彩や陰鬱を感じさせる舞台的場面構成が秀逸の出来栄えを見せている。また『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語』の作品群はフェレンツェのプッチ家が約300年間所蔵した後、幾多の人々に渡り現在は第I場面から第III場面までプラド美術館が、第IV場面はアメリカの個人蔵となっている。

関連:ナスタジオ・デリ・オネスティの物語 第II場面
関連:ナスタジオ・デリ・オネスティの物語 第III場面
関連:ナスタジオ・デリ・オネスティの物語 第IV場面


【全体図】
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騎士と犬に追いかけられ責め苦を受ける女性。アントニオ・プッチの息子でロレンツォ・ディ・メディチの甥でもあるジャノッツォ・プッチとルクレツィア・ビーニの婚礼の際に同家から依頼され手がけられた本作には両家の家紋が描かれており、カッソーネ(長持)かベッドの一部だと考えられている。



【騎士と犬に責め苦を受ける女性】
自身の不幸に想い沈むナスタジオ。第I場面に描かれるのは恋人パオラ・トラヴェルサーリに拒絶され自身の不幸に沈むナスタジオが、騎士と犬に追いかけられ責め苦を受ける女性を目撃する場面である。
関連:ナスタジオ・デリ・オネスティの物語 第I場面



【自身の不幸に想い沈むナスタジオ】
騎士に内臓を引き裂かれる女性。第II場面に描かれるのは、自身を拒絶した想い人の残忍さに対し想い人へ責め苦を与える騎士と、内臓を引き裂かれる想い人の場面である。
関連:ナスタジオ・デリ・オネスティの物語 第II場面



【騎士に内臓を引き裂かれる女性】
騎士による女性への責め苦を目撃する恋人パオラとその家族。第III場面で描かれるのはナスタジオが恋人パオラとその家族を招き騎士とその想い人のおこないを目撃させる場面である。
関連:ナスタジオ・デリ・オネスティの物語 第III場面



【責め苦を目撃するパオラとその家族】
心を許した恋人パオラとナスタジオ。第IV場面では騎士とその想い人のおこないを目撃し、ナスタジオに心を許し結婚に同意した恋人パオラとナスタジオが描かれている。
関連:ナスタジオ・デリ・オネスティの物語 第IV場面



【婚姻をおこなう恋人パオラとナスタジオ】

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